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《96..勇者の戦闘》

「グォォォォォォォォォ!!!!」


森林地帯を探索索していた俺達は体長3mはあろうかというモリノオークの群れと激突!!


「はぁぁぁぁ!!――――大気に燃ゆる偉大なる灼熱の熱き炎の精霊よ!我が呼び声に応え顕現せよ!我が剣に纏え!『炎剣レーヴァテイン』!!!」」


シュゴォォォォォォォォォ!!!!


オカメの長剣に真紅の獄炎が纏われる。


「喰らいやぁ!!!」


ズバァァァァン!!!………ヒュゴォォォォォォォ!!!!


オカメの長剣の炎が剣を振るう度にモリノオークを焼き払っていく。


「す……凄い……っ!! そして……凄く綺麗……!!!」


ラピが目をキラキラさせてオカメの剣技に見惚れている。確かにオカメの剣技は真紅の炎が華麗に舞っているようで、物凄く美しい。



「俺だって負けてられないぜ!!」


俺は別の群れに向かって走り出すと、『聖剣エルハザード』を両手で構え、1つ大きく斬り払いながら群れの中を高速で駆け抜ける。


【斬撃:辻颯天】


ズバババババァァァァァァ――――ンン!!!!


ほんの一瞬、光の筋が走ったかと思った瞬間にモリノオーク達の胴体が綺麗に寸断されており、一刻遅れてドサドサッ……と上半身が地に落ちていく。



すると、モリノオークは退路を断つ動きを見せ、此方を囲いこもうと俺とオカメが斬り結んで行く後方から更に別の群れが襲いかかってくる。


「ふふっ、させませんわ!パーティの後ろを護るのがわたくしの役目!!」


トントンッ……と『聖杖ケーリュケイオン』で地面を叩き


氷山の一角(アイスロック・スピア)!!!!』


―――――――カヒュッ――――ザシュッ!!!!!


地面に巨大な魔方陣が展開され、無数の氷の巨大な槍が後方転回していたモリノオークの群れを一網打尽にしていく。

後に残るのは氷結し串刺しになったモリノオークの死骸がオブジェの様に連なっていた。


「聖女様も……氷の粒が光に当たってキラキラしてとても……綺麗ですっ!!!!」


絶対零度の冷気によって空気中の水蒸気が氷の粒となり、風に舞う事によって太陽の光を反射してキラキラと煌めいている。


その氷の粒により、もっちゃんの周りがダイヤモンドダストの様に煌めいて……これまた物凄く美しい。



つか……あれ?何か俺ひとり、めっちゃ地味じゃね?


《ハリー、あんた今、自分だけ地味~……て思っただろ》


……ギクッ。


何でこの漬物石は、こんな時だけ無駄に勘が鋭いんだ……。


「あかん、数匹討ち漏らしとる!!!……上や!!!!」


気付くと木の上から3体のモリノオークが襲いかかってきていた。

丁度真ん中を抜かれた、ラピの丁度真上あたりだ。


「……くっ……!!!」


俺は身体を翻し、後方頭上のモリノオーク迎撃に移る。

だが、ラピは果敢にも手にする『宝鎌アダマス』を掲げ真下から対峙する。


「大丈夫、私も戦えます!」


―――――ゾクリ。


一瞬、背中に寒気を感じ、()()()()()で反射的に大きく飛び退く。



『天体魔法:隕石流星(メテオ)


―――――ヒュッ――――


ゴガァァァァァァンン――――!!!!ズドドドドド………

   ゴウゥゥゥゥン………メリメリメリ…………ゴシャァァァァン………!!!!!!



「「「ええぇぇぇぇ―――――!!!!!」」」


巨大な隕石が頭上から落ちてくると、辺り一帯の森林ごと一瞬で焦土と化してしまった。とてつもない……ラピの魔法……。

間一髪で退避してなかったら……こんがりハリーの出来上がりでしたよ?


やだ、何、この子……?


天体魔法て……何??


時間は戻すわ、隕石落とすわ……いや、これ何でも有りの最強なんじゃね……???


この時、俺達は思った――――。



この子を()()んじゃない……この子を()()するのだ……と。





所変わり、王都:謁見の間。


ウーニ王の御前には、翼獣に乗って緊急帰還してきた第二聖騎士団緊急伝達係の姿があった。


「緊急の報告があると聞いたが……何があったのだ?」


ウーニ王は身を乗り出し、発言を促す。


「……はっ!!恐れながら申し上げます!!実は……我々、第二聖騎士団の一団が本国南方へ遠征中、まだごく最近と思われる激しい戦闘の跡が発見されたのですが……」


「ふむ、余が命じた『プレーリア国』の真相調査を派遣していた件であるな。……む?待て、新しい戦闘跡だと……? プレーリア国が落とされた後に刻まれた戦闘跡だという事か……?

それは奇妙だな……

して、その話には続きがあるのだな?」


「はっ!!実は、現場に()()が残されておりました。」


「……こ、これは………!!?」


緊急伝達係が震える手で、懐から取り出した物………


それは―――



血糊が染み付いた、王家の紋章が刻まれた腕章、即ち、第二王子サドマルが身に付けていたものであった。






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