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《81..パーティ結成》

()()は早速、ギルドカウンターにて新しく『新規パーティ』としての登録申請を行った。


「うふふっ、これで新しく『新生パーティ』の結成登録は完了よ♪

細かい事はおいおいこなしていけばいいからね。わからない事は、いつでも聞いて頂戴ね♪」


オチヨさんの手続きで、俺達の新しい『パーティ』が生まれた瞬間であった。


因みに、時間を少し遡り、俺がパーティメンバーに選んだのは――――



「そぅか、ならば決まりだな!

俺の、俺達のパーティメンバーは―――――


俺、ハリー。


そしてまずはオカメ、君だ。オカメは今やずっと行動を共にしてきて、既に俺のパーティメンバーのようなものだったしね。」


「にひっ♪もしアタシを選ばなかったら、コアラの餌にしてやるんだから」


《……はひっ!?》


いきなり名前を呼ばれて鼻提灯を割るコアラ。また寝てたなコイツ。




「……そして、次に、モスケ。」


「……えっ!?……は?? ……え??俺ぇ!!?」


「なんだ、嫌なの?」


「………は、いや、嫌じゃないんすけど、むしろ光栄なんすけど……この冒険者なりたての俺が、兄貴の……勇者のパーティメンバー……すか!!??」


「うん。お前さ、気付いてないかもしれないけど、お前の危機察知能力や反応速度は常人離れしてるぞ?」


そう、俺は気付いていた。

あのヒュドラ戦の時、誰よりも早く『戦姫艶団(ヴァルキュリア)』の危機を察知し、救援に向かい、彼女達を救った事を。




「そして、ヨウ、君にも是非御願いしたい。」


「はわっ、わわわ……私……ですか!!!?

そ、そ、それこそ私、やられてばかりなのですけど……!!!?」


「いや、君の実力も俺は知ってる。同じくヒュドラ戦で、俺が反応出来なかったヒュドラの攻撃を君はその身をもって俺を守ってくれた。あそこで俺が倒れていたら今は無かったんだ。

だからこそ、これからも君に俺達を守ってほしい。」


「えっ……えっ……ふぇぇぇぇん、嬉しいですぅぅ~~」


ヨウは泣きながらオカメに抱き付いた。オカメはヨウの頭を優しく撫でる。




ハリーの新しいパーティ編成。それを見つめるモッチャン。

その目には光はなく、どこか物淋しい表情であった。


なぜならば、自分は()()()()()()()


今もこうしてセンターギルドへ顔を出してはいるが、自分はユーミ神殿の『聖女』なのだ。今はあくまでも『勇者襲名』の国王謁見の名残でここに滞在しているだけなのだ。


出来る事ならば、自分もあの輪の中に入りたかった。

モッチャンはグッと奥歯を噛み締める。


今、この場にいるのは辛い……。


席を立とうとしたモッチャンだったが、目の前に見知った手が差しのべられた。




「それから……モッチャン。俺に力を貸してくれないか?」


「………えっ………?」


モッチャンは予想もしていなかったその言葉に、一瞬、表情を失う。



「だって、俺達、もう仲間だろ?」


俺は差し出した手と共に、モッチャンにニカッと笑って見せる。


「……あの……わたくしは……冒険者ではないのですが……?」


「でも、『勇者』だろ!?構うもんか!どうしても形式が大事なら、モッチャンの実家行って皆で嘆願しようぜ?な、みんな!」


俺はメンバーに選んだオカメ、モスケ、ヨウを見て、それを3人は頷いて返す。


「親父やお袋もわかってくれるさ、姉ちゃん!」


「モスケ……。はい……、ありがとうございます。ふつつか者ですが、末永く宜しくお願いします……!」


「いやいや、ちょっと、何をさりげなく嫁入り口上陳べとるん!?ハリーはあんたのもんちゃうんやで!?」


「うふふふ、わかりませんわよ?一緒にいるうちに……むふふふ♪ささ、ハリー様のマント、わたくしが預かって差し上げますわ♪」


「あかん……あかんて!ちょ……待ちぃや、モッチャン!」


モッチャンが俺のマントを持って駆けていき、それをオカメが追っていく。


「……ったく、御主らは締まりが無ぇなぁ!ははっ、ま、『勇者』二人にSランク、それに期待の新鋭要するパーティ……か。こりゃまたすげぇパーティが生まれたもんだぜ!」


チィの言葉に、俺は更なる発案をぶちあげる。


「ふっふっふ。いや、二人じゃないぜ?……三人だ!!」





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