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《20..センターギルド》

「……うぉぉぉぉ……すっ…すげぇぇぇぇぇぇ――――!!!!」


広い!とにかく広い!!

え、嘘だよね……これがギルド!!?


入口の扉の中は、まるで宮殿の様なロビーが広がっていた。


そのロビーには、いかにも強そうな屈強な冒険者達が所狭しと賑わっている。



「そりゃモフチラータ王国の中心である王都やからな。国内でいっちばん豪華なギルドやで。にひっ♪」


床は赤と白を基調とした絨毯が敷き詰められ、壁には高級そうな絵画や装飾品が施されている。

天井からはシャンデリアが煌びやかにその存在感を示し、天井は金色一色。

ロビーの両サイドには豪華な階段が2階へ伸び、その袂にそれぞれ受付カウンターが備えられている。


ロビーの中心には噴水があり、それを円形に池が囲い、更に外回りにはグルリとベンチが備わっている。


そして何より、ロビーの真ん中奥に一番広い受付カウンターがあるのだが、その後ろに一際目立つ白い大きな男性彫刻が佇んでいる。その手には大剣が握られていたのだが……


(……あれ?あの彫刻の大剣……何か見た事あるような……)


男性彫刻を眺める俺に気付いたオカメも彫刻を見上げて口を開く。


「あの方はな、このセンターギルドの創始者で初代勇者の1人、英雄ペイデ様の肖像やよ。それはもう鬼神のような強さやったらしいで。」


「勇者……英雄ペイデ……」


「ん。そや、んで、ちょうどあの肖像がある受付が冒険者ギルドやで。ほな、行こか♪」


俺とオカメは一番奥の正面カウンターに向かう。



「……なぁおぃ、あれ……オカメさんじゃないか?」


「確かに、ありゃ『薔薇の戰乙女』のオカメさんだ!!この街に帰ってきてたのかよ!!」


「えっ、あのAランク冒険者の!?最もSランクに近いと言われてる、あの!!?」


「強くて美人で…しかも誰ともパーティを組まないソロ冒険者の!?……つか、あの一緒にいる男は誰だ?へんな人形付けてるし……」


冒険者達からヒソヒソと声が漏れる。



「オカメ……実は凄い冒険者だったんだな…何かゴメン…」


「そんなん、気にせんでえぇって。言ったやろ?

って―――あっ、オチヨさんだ!! オチヨさ~ん!!!!」


オカメが受付カウンターに一目散に駆けていき、1人の受付の女性に飛び付いた。


「あら、オカメちゃん!? あらあらまぁまぁ、帰ってきてたのね、お帰りなさい♪久しぶりね。元気だったかしら?」


抱きついたオカメを撫でながら、優しく言葉をかける女性。


「にししし、久しぶりのオチヨさんの香りだぁ」


「うふふ、相変わらず甘えん坊なんだから。……あら、そちらの方は?」


「あ、そうやった。紹介するわ、彼はハリーていうねん。

ハリー、この人は受付嬢で、このセンターギルドのギルドマスターの奥さんでもあるオチヨさんや。ここでは2番目に偉い人なんやで!!」


「はじめましてハリーです、宜しく…」


「オチヨです。オカメちゃんを宜しくお願いしますね♪」


オチヨさんは俺の差し出した右手を両手で優しく包み込んでくれ、ニッコリと笑顔で挨拶を交わしてくれた。

何だろう、凄く優しそうで、落ち着いてて、授業参観とかだと一際注目を浴びそうな…そんな綺麗な若奥様…という感じの女性だな。

なんだか初めて逢うのに凄く暖かみを感じさせてくれる人だと思う……。



「なぁなぁ、オチヨさん、まずはちょっと大きめの魔獣素材を表に持ってきてんねんけど、換金鑑定お願い出来る?」


オカメが目をキラキラさせて食いぎみに鑑定を依頼する。


「あら、じゃあ誰か鑑定士を廻すわね。―――あ、ちょうど良いところに……

ミクちゃん!!ちょっと表にオカメちゃんの魔獣素材があるみたいだから、換金鑑定お願い出来るかしら?」


「はぁい、畏まりました!!では早速」


ギルドの奥からたまたま出てきた女の子にオチヨさんが声をかけると、タタタと表の方に駆けていった。




―――――その直後に彼女の驚く悲鳴が聞こえたのは言うまでもない――――





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