《01..晴乃転生》
ジジッ……ジッ……ジジジ………ッ……
空間にヒビが入る。
ヒビはやがて裂け目を生んだ。
その裂け目から、霧の様なものが此方へ流れ込み、やがて何かを形造っていく。
それはやがて1つ…いや、1人の造形を構築していく。
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暗闇から黒い霧が晴れるように…
私の意識がゆっくりと目覚めていく感覚を覚える。
そして、2つの光が私の視覚となり、ゆっくりと開いていく。
私の視界に、薄暗い空間が広がる。
岩の様なゴツゴツした壁…天井…そして、地面。
「……ここは……いったい……?……どこかの洞窟の…中??」
私は確か…死んだはず…?
「…って……わわわっ!!!」
……ブニュッ!!
私は宙に浮いていたのだろう。
ふいに浮力を失った私の身体は重力に逆らう事なく地面に落下し、激突した。
…いや、激突するはずだった。
私のお尻の下に何かがいた。
灰色の丸っこい、変な生き物がピクピク痙攣していた。
それは…私の記憶の中にある、あの動物に似ていた。
……コアラ?
慌てて身体をどかすと、それをよく見た。
それは確かに一見すると、確かにあの『コアラ』に似ていた。
丸い顔につぶらな瞳、大きな鼻、大きな耳があった。しかし、胴体は無く、4本の短い脚が直接頭に生えている。そして、その頭には帽子?まで被っていた。
「きっしょおぉぉぉ!!!……何だこれぇぇぇぇぇぇ!!!!」
更に私は重大な事に気付く。
「嫌ぁぁぁぁぁぁ!!!……私、服着てねぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
加えて更に重ねて重大な事に気付く。
「……股間に……股間に……股間に何か付いてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
《うるせぇ―――――――――!!!!!》
バゴォォォ!!
変な生き物の短い渾身の右ストレート(?)が、私の左頬に命中した。
《ビックリマーク多すぎてうるせぇよ!!いきなりオイラを踏みつけやがって!!何だお前ぇぇぇ!!》
もぅ…なんか……色々うるせぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!