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《11..絶望の中の…》

「まずい…奴は『大聖堂』に向かっている……!!」


侵略の悪魔(ニンゲン)』は全身に集中放火を浴びながらも、全く意に介さず進撃を続ける。


進撃の先には多くの避難者達…そして、この国の未来を担う子供達がいる『大聖堂』。あそこだけは何がなんでも死守せねばならない。


「止まれ!!!そら、貴様の獲物はここだぞ!!!かかってこいよ、木偶野郎!!!」


タイサは『侵略の悪魔(ニンゲン)』とは一定の距離(もとより黒炎を撒き散らしている為、近付けもしないのだが)…を取り、極大神聖魔法を四方から撃ちまくる。


しかし全く止まらない―――止まらないのである。



そして――――


「う………嘘だろ………!!!?」



この戦闘に於ける―――――最大にして最悪の絶望が……無情にも訪れる。



「いやいやいやいや、ちょ、ちょ、ちょ……待て待て待て待て……それは勘弁してくれ…やめてくれぇぇぇぇぇ!!!!!」



侵略の悪魔(ニンゲン)』は頭の部分が上下に割れ、()()()()()()を大きく開けると、桁外れの質量を誇る『波動エネルギー』を凝縮させ、その照準を『大聖堂』へと定めたのだ。


あれを食らえば、例え我が国、随一の防御を誇るユーミ神殿の『多重結界防壁』であろうが、軽くガラス程度に吹き飛ばされ、『大聖堂』は跡形も無く塵と化すであろう。それほどの出鱈目な破壊力の『波動エネルギー』が……『大聖堂』に降り注がれようとしている―――――



―――――コォォォォォォォォォ………


『波動エネルギー』が高密度で圧縮されていく。



タイサの全身から血の気が引いていく。


アレを撃たれたら……もう………



「やめろ!!!!やめてくれぇぇぇぇぇぇ―――――!!!!!」



――――カッ―――――――!!!!!!



無情にも『波動エネルギー(それ)』は発射される―――――





「どっせぇぇぇぇぇぇ――――――い!!!!!」


ボガァァァァァァァァン!!!!!



絶望の『波動エネルギー(それ)』が発射される瞬間、その頭の横っ面に爆撃が命中し、僅かに『波動エネルギー(それ)』の軌道がズレる。

ズレた『波動エネルギー(それ)』は『大聖堂』の端の塔ひとつを吹き飛ばし、そのまま軌道上にあった山を2つ消し飛ばした。



何という破壊力―――『波動エネルギー(あれ)』はまさに史上最強の魔法『核撃魔法』の破壊力に匹敵する。


ユーミ神殿の始祖、()()()()()()()の1人、『慈母大神官:英雄ヒカリ』と、同じく()()()()()()()の1人で、王都の魔導学園の創始者である『時空賢者:英雄スマパス』以来、その使い手は現れていないという『核撃魔法』。今やそれさえも伝説化しているのだが―――



いや、それよりも、一体何が起こったのだ!?



「ふんぬぅぅぅぅぅぅん!!!!!」


―――――ドゴォォォォォォォォォォォン!!!!!


「どりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


―――――ボゴォォォォォォォォォォォン!!!!!


「うぉぉぉりゃあぁぁぁ!!!!!」


―――――バゴォォォォォォォォォォォン!!!!!


激しい掛け声と共に凄まじい速さで跳ね回り、その手にする斧と槍が1つになった形の巨大な特殊武器『ハルバート』を振り回す。

全身を白金の鎧に包み、その背には王国の紋章を輝かせ、我々が総員で束になっても傷1つ付けられなかった『侵略の悪魔(ニンゲン)』をたった1人でその場に縫い付ける、その異常な戦闘力を披露する大柄な体躯の男。


その男が『ハルバート』を奮う度に…大地が、大気が、そして『侵略の悪魔(ニンゲン)』の体が爆撃で破ぜる。



あれは……あの男は……!!!



「王国第一聖騎士団団長にして、王国最強の男―――チコ・コ!!!! なぜ彼がここに!!!?」




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