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怯えつつ、サローちゃんが差し出してきたざるへ、チダメグサをのせた。
「さっさとやって」
「はい」
「……もういい。これの処理が済んだらまた来るから。じいちゃん!」
おうとメーデさんがこたえ、孫と揃って奥へ引っ込んでしまった。
ひょいと顔だけ出す。「悪い、チダメグサの処理をしなきゃならん。座って待っといてくれ」
「どのくらいかかるんだい?」
「すぐだ!」
「すぐ」は一時間以上だった。
お言葉に甘え、ハーバラムさんと長椅子に腰かけて待つ。サローちゃんが戻ってきてざるを差し出す。チダメグサをのせると無言で引っ込む。その繰り返し。
ハーバラムさんは、ダスト坊を見てくる、と外へ行ったきり戻らない。いちゃいちゃしているのかなあ。見てみたい気もする。メーデさんの言葉を笑って片付けたハーバラムさんだが、美形である。髪型があるから、美人なお姉さんに見えなくもない。声は男のひとだけど。ダストくんは、ワイルド系。
ぼーっとしていた。「ちょっと」
「ふあい!?」
「はやくして」
サローちゃんだ。チダメグサを渡すとすぐに居なくなる。
「まーおっ」ハーバラムさんが戻ってきた。髪が編みおろしになっている。「どうどう? ダスト坊すんごく器用なんだねえ吃驚した!」
ダストくんにやってもらったらしい。ハーバラムさんはうきうきと店のなかをぐるぐる歩いた。「お似合いですよ」
「あらー、よかった。ね、マオ、チダメグサあとどれくらいあるんだろうね」
「えーと……」
分量って確認できるのかな?
メニューを開いてみる。他人には見えていないから大丈夫だ。荒れ地でダストくんと出会ったばっかりの頃に、まだ夢だと思っていて普通に目の前でメニューを開いたが、スルーだったもん。
スクロール……魔法一覧の下に、持ちもの一覧があるな。それを開いてみる。
「……あと百五十把くらいです」
「採った時数えてたのかい?」
へへへと笑っておいた。
ハーバラムさんが隣へ腰かけた。
「マオくらい魔力が高いといいね。わたしは魔力が低いから、収納空間もそこまでつかえない」
?
首を傾げる。ハーバラムさんはくすくすっと笑った。
「収納空間って、ものをいれてると疲れるだろ? わたしは高価なものか、水に濡れたりしたら困るものしかいれないよ。あとは、もしもの時のために、着替え一式とお金」




