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異世界に飛ばされたら適職が「魔王」しかない  作者: 弓良 十矢 No War
買いものに行ったら帰り道が異世界につながっていた
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6

 

 何時間も歩いたのなんて久し振りだからなあ、疲れたあ~。眠たいなあ、と考えているうちに寝ていたらしい。かたんと音がして目が覚めた。

 うっ、目脂が酷い。いや、じゃりじゃりしてるし、砂だな。痛い……。「うー、すなー」

 指先で目頭にたまった砂を落としていると、笑い声がした。仰ぐ。ダストくんのお父さんだ。ダストくんも居て、嗜める。「父さん」

「や、すまん、おじょ……坊や。顔を洗いたいだろうが、その格好だと皆が動揺するんでな。これを着けなさい」

 動揺。どうして。服ならちゃんと着ていますが。

 おじさんが屈み込んだ。差し出されたのはピアスだ。金色のとか、緑の石のとか、十個くらいおじさんの掌に乗っている。「どれがいいかね?ああ、洗ってきたから心配は要らん」

「えーっと」髪の毛を両耳へ掛ける。「穴、開けてないです」

 ふたりとも言葉を失ってしまった。……?

 暫くしておじさんが云った。

「しかし……わ、わかった、ダスト。髪飾りを持ってこい」

 ダストくんが出ていく。おじさんは困り顔だ。「つけていないんじゃなく、つけたことがないのか」

「あの?」

「ああ、すまんね。そうだ、息子の恩人になのってもいなかった。わたしはナジ。ナジ・サインという。息子はダストだ」

「ご丁寧にどうも」

 頭を軽く下げた。「マオといいます。マオ・クニタチ」

 名字が後らしいからそうなのった。おじさん=ナジさんは、こっくり頷く。

「ドラクの出かい?」

「えーと……?」

「違うのか。共通語は解るね?」

 多分解っているんだろう。会話ができているし。

 ナジさんは首を捻る。「じゃあ、生まれたところは? 出身地はどこかな」

 解らん。ドラクってのはざっくりした地域なのかな? 国名?

 ダストくんが戻った。大きいビーズと羽根を、紐に通したものを持っている。こちらへ来て屈み込むと、頭に触ってきた。思わず身を引く。

「あ」ダストくんは吃驚したあと、申し訳なそうに俯いた。「ごめん」

「……それなに?」

「なにって、髪飾り。男なら着けてなくちゃあ」

 ???


夢のなかでは名称があんまり出ずに話が高速で展開するので、いざそれを書き起こすとなると名前をつけるのが面倒です。魔王だからマオという安直にも程がある理由だったりします。

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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
[気になる点] これが、夢のなかで。 うらやましいなぁ。
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