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異世界であんまり現実感ないし、そもそも性格がぼーんやりなのだ。
ついでに、いざとなれば冒涜魔法があるとも思っている。
いろいろと注意しなければならないのは解ったし、注意するけれど、ひとつ大きな問題がある。
祇畏士だ。
祇畏士って、「魔を感知できる」んだよな?
見付かったらアウトじゃん。でも、こないだ村に四人も来たのに、「魔王発見!」みたいな騒ぎにはならなかった。どういうことだろう?
魔が弱くて感知できないとかだったら嬉しいなあ。……ないだろうけど。
祇畏士のことに就いて謎を残したまま、出発の日になった。
収納空間には、着替えが三揃いと、ドールさんのお薬各種、お菓子が沢山。エスターも、袋(余った布でつくった)へいれて、収納空間へ放り込んである。
ダストくんは新しい服を着てご機嫌。ピアスと腕環、指環は、おじいさんから受け継いだものを引っ張り出したそう。髪は捨て編み込みや三つ編みをいっぱいつくって、豪華な感じにしていた。ダストくんめっちゃ器用。レントは裾野いちの町だから、めいっぱいおしゃれしていかないといけないとか。
「マオ」
隣の隣の村から、ハーバラムさんと、護衛をのせた馬車が村についた。ハーバラムさんとの顔合わせ前に、ナジさんから呼ばれる。
「はい」
「餞別だよ。蜂蜜のお礼も兼ねてる」
差し出されたのは短剣だった。全体で30cmないくらい。柄は10cmちょっと。短剣と云うか、包丁っぽい。
村の「刀工」さんがつくったもので、いつもは肥料やなんかと一緒に街で売っている。切れ味はなかなかだし、丸腰だと目を付けられることもあるから、護身用で持って行けということらしい。
受け取った。見た目より軽い。刀身を見てみると、ますます包丁染みていた。少々厚めで、魚なんかをさばくのに便利そうだ。鞘はトゥアフェーノ皮らしい。赤と金でカラフルなのは、ドールさんのお薬で染めたんだろうか。模様は複雑で、手が込んでいた。
「もらっていいんですか」
「勿論。でも、戦おうと思っては駄目だよ。なにかあったらこれで相手を怯ませて、逃げなさい」
「……はい」
それよりも、これは包丁としてつかおう。
人間をさばくのは勘弁願いたい。そんな場面が来ないよう祈ろう。
捨て編み込み
→ウォーターフォールともいわれ、あみこみと違って毛束を捨てていく編みかたです。難しいけれどとても可愛いやつ。




