表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3906/6871

3764


 この村は互助の精神が強く、隠しごともほとんどないみたいで、結構な情報が耳にはいることもあった。

 ついでに、誰もそれをおかしなことと思っていないらしく、かなり個人的な(と俺が感じるような)ことでも、平然とみんなの前で相談したりしていた。子どもをどこかに修行? にやりたいけどお金がこれだけしかない、旅費にもならない、とか、少し離れた村にぼけてしまった父親が居てひきとりたいけど抵抗されている、とか、そういうことだ。俺はどうも、その手の話題はふみこんではいけないものだという頭があるので、耳にはいるが定着はしてくれなかった。

 俺がその場にまざりこんでいても、みんな自然に会話していたし、俺を会話にひきいれてくれさえした。

 村の事情がわからないので、俺は曖昧に言葉を濁すことのほうが多かった。でも、それで場の空気が悪くなることもなかった。難しいことだから簡単に云えないわよねえ、みたいにフォローしてくれるひとがかならず居るのだ。

 みんな、優しくて、でもおしつけがましくなくて、やわらかいふわふわした時間を過ごした思い出がある。魔王がばれないか、と四六時中怯えていなかったら、もっと楽しくお喋りできていたかもしれない。


 あ……そっかあ。

 もしかして、ここでなにか、おせったいみたいなことがあるのかな。ほーじくんとサーダくんは、わかりやすく祇畏士だし、たしか(ぎょう)の行き・帰りどちらでも、祇畏士はもてなすと云っていなかったっけ。

 祇畏士をどこでもてなすかは聴いていなかった。し、(ぎょう)の行き・帰りの祇畏士をもてなすという時、俺はダストくんの家から出ないように云われていた。だから、そういう場合どこに祇畏士達が居て、もてなしをうけているのか、知らない。

 今なら、俺が外出を制限された意味はわかる。妙な誤解を防ぐ為だ。ロア人やディファーズ人の一行だったら、問答無用で攻撃してくるかもしれないしな。俺はこの村に居た段階から、いろんなひとに便宜を図ってもらい、まもられていたのだ。

 そんなことに今頃気付くなんて、ばかばかしい。


 細かい模様の織物をつるした出入り口から、ルルさんがとびだしてきた。喜色満面で俺を抱きしめてくれる。

 俺は吃驚したが、すぐにルルさんを抱きしめ返した。ルルさんはいつものようにヘジャブをかぶっていて、その飾りがしゃらしゃらと音をたてる。彼女はこちらの世界の女性にしては、考えられないくらいに着飾っている。多分、なにかの効果がついた装備品なのだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ