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異世界に飛ばされたら適職が「魔王」しかない  作者: 弓良 十矢 No War
買いものに行ったら帰り道が異世界につながっていた
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 異世界三日目の朝、ちょっと試してみた。結論・崩潰はムダ毛処理に便利。

 凄く下らない。

 なにをしてるんだ俺はとは思った。でも、魔法に慣れておかないと、祇畏士に狙われた時対処できない。

 いざとなったら崩潰で怪我をさせて逃げよう。……そんな器用なことが自分にできるのかはさて措いて、想定しておくのは大切だ。とりあえず皮膚を傷付けないくらいにはコントロールもできたし!

 ちょっとひりひりしたので、小川の水でグリセリンを二滴くらい溶いて塗っておいた。グリセリンは正義。


 朝ご飯をもらって、片付けを手伝った。今日はオーブンを見に行く約束だ。

 が、なんだか先方の都合が悪いとかで、今日は外出中止になった。

「そうそう」ドールさんはにこっとわらう。「蜂蜜は、リーリに渡しておいたわ。ありがとうって、彼女喜んでる」

 それはよかった。異世界産の蜂蜜だが、ドールさん曰く品質は高いらしい。

 片付けが終わり、はなれへ向かう。今日は魔法の練習をしようかな。「にゃっ?!」

 顔からなにかにぶつかった。

 それはともかくなぜ吃驚すると変な声が出てしまうのか。せめてもう少し歳相応の声にならないか。

 自分に絶望しつつ、ぶつかって落ちたなにかを見下ろす。

 まっしろいふわふわ。


 ???


 屈み込んだ。真っ白いふわふわは、小銭入れくらいのサイズで、細かく震えていた。

 つつく。反応があった。……いきもの? 毛玉が?

 そっと両手で()()()みた。軽い。ふわふわを掻き分ける。

「おお」

 目玉らしきものがあった。緑の目。が、みっつ。いや、やっつ? 蜘蛛に似た感じ。かわいい。なにこれ?

 重さはあんまりない。掌でふるふるしている。生き物なんだろうけど……魔物じゃないよな?

 ふわふわが浮き上がった。数cm。かわいいな。ふわふわはそのままふらふらと上昇していく。

「うわあー」

 見上げてみれば、似たようなやつが多数、ふわふわと浮いていた。

 衝突事故で墜落したやつが群れにまじり、そのまま風に乗って流れてゆく。たんぽぽの綿毛を飛ばしたときみたいだった。


「あら、ルジュアットね。めずらしい」

 笊を手に出てきたドールさんが、手庇してそれを眺めた。

「るずあっと、ですか?」

「ルジュアット。縁起がいいの。還元したら宝石になることがあって、乱獲されて……減っちゃった。最近はまた増えてきてるらしいけど」

 ほう。還元まじ解らん。

 今日は魔法の練習より、還元のことを詳しく知ろう。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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