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どちらにしても、サーダくんが俺の状態にひどいショックをうけているのは、ほぼ間違いない。俺について、ユラちゃんやニニくんが話していたらしい時から、様子がかわったからだ。
リッターくんが俺の隣まで来て、困った顔になっている。俺がサーダくんを見ているからかもしれない。リッターくんに心配させてしまったらしいので、俺は苦笑いでお握りの包みをとりだし、彼へ渡した。リッターくんは、いつもみたいにお握りで喜んでくれない。ゆっくりとお辞儀して、ティヴァインの兄弟達へ近付いていく。近くのベッドへ座って、膝の上にお握りの包みをのせるが、すぐにひらくことはない。
馬車で酔ったのと、サーダくんの憔悴した様子に心がささくれてしまって、固形物を沢山食べられる気分ではなかった。なので、ほーじくん達には普通の食事を出したが、自分用にはカルナさん達と同じおかゆをよそう。あ、オートミールミルクがゆ、結構いけるな。
食事中は、ほとんど誰も喋らなかった。リッターくんはやっとお握りを食べているのだが、いつもの食べかたではない。ひとつ手にとって、あまりおいしそうには見えない表情で、もそもそと咀嚼している。喜んだふうではない。リッターくんも、サーダくんの状態に動揺している。
ほかのひと達も似たり寄ったりで、食糧はあまり消費されなかった。ネクゼタリーさんだけは、俺がよそったものをすべて食べてくれたけれど、それもおいしいから、食べたいから、というよりは、俺が出したものを残すのが心苦しいから、という感じだ。
誰も手をつけなかったものをしまいこみ、外に出て食器を洗った。ユラちゃんが一緒だ。彼女は俺が外へ行くと、無言でついてきた。
食器を洗っていると、タスとニニくんとヤラが戻ってくる。ヤラとニニくんが喋りながら幕屋へ戻り、タスが食べかけのものや汚れたお水を還元してくれた。幕屋内には、ニニくん用のおかゆや、タス用のくだもの、ヤラの為のお芋は置いたままだ。だから、幕屋をゆびさした。タスはわかったかわかっていないのか、ふーっと息を吐いて、幕屋へ向かう。
が、ユラちゃんがその前に立ちはだかった。厳しい口調で喋っている。タスはそれを聴いて、頷き、ユラちゃん達の馬車へと歩いていった。ユラちゃんが、リッター、と叫ぶと、リッターくんが出てくる。これも、人名だからそのままだ。
ユラちゃんがリッターくんに、どうも、指示しているようだった。リッターくんは頷いて、幕屋内へ戻り、お皿を一枚持って出てくる。




