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驚愕の表情でよろけたニニくんを、タスが支えた。サーダくんは、ネクゼタリーさんが横抱きにし、なにか話しかけながら馬車へとつれていく。更に、肩越しにこちらを見、申し訳なげに喋った。表情からすると、謝罪だろうか。ほーじくんが慌てた様子でそれを追いかける。
俺が喋らず、言葉が通じていないことで、サーダくんは気絶してしまったのだろうか。どうやら、相当迷惑をかけているらしい。
ニニくんまで具合を悪くしてしまったみたいだ。タスに肩をかしてもらって移動し、そのまま、タス、ミエラさん、カルナさんと一緒に、ユラちゃん達の馬車にのっている。
ヤラは、サーダくんがのってきたのだろう馬車のステップに居る。サーダくんの治療にあたっているのだ。魔力を譲渡しているので、大丈夫だと思う。
俺はヤラの後ろ、少し離れたところに立って、それを見ていた。サーダくんは馬車の座席に横たわり、ネクゼタリーさんが傍に膝をついて様子を見ている。ほーじくんは馬車のすぐ傍に立っていた。時折ヤラになにか云い、ヤラが頷いたり頭を振ったりする。
俺はどうしようか考えていたが、思い付いて、廃帝花を数輪とりだした。小さなボウルへいれ、馬車へ近付く。馬車につながれているトゥアフェーノ達が、ぴぴっと鳴いた。ユラちゃん達は四頭だて、こちらは二頭だてだ。
声をかけることもできないので、ほーじくんにボウルをさしだす。ほーじくんは戸惑ったらしかったけれど、ボウルの中身に気付いてあっという顔をした。俺はほーじくんの肩を叩き、横たわっているサーダくんを示す。ほーじくんは頷いて、ボウルを持った。ヤラが察して、ステップから離れ、ほーじくんが馬車へのりこむ。
どすどすとエクシザが歩いてきて、俺はそちらを見た。エクシザは不機嫌そうに、脚で胴体の下のほうをかいている。け、け、と短く鳴いているが、意味はわからない。エクシザも、俺が突然だんまりを決め込んで、戸惑っているのだろうか。
かたんと音がしたのでそちらへ目を遣ると、サーダくんが上体を起こしていた。ネクゼタリーさんが片腕で支えている。廃帝花がよかったんだろうか。だったら嬉しい。
ほーじくんもまじえて、ティヴァインの兄弟はお喋りしているのだが、内容はまったくわからない。
けれど、数ヶ所、多分聴きとれた。マオ、と聴こえたのだ。
抑揚の豊かなこちらの喋りかたと違って、俺の名前は相当平板で、うきまくっている。外国語の歌のなかに突然日本語が、それも短いやつがまざりこんでいるみたいな、なんとも云えない違和感だった。




