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 午后も馬車に揺られた。酔うのはわかっていたので、お(ひる)は少しにしておいた。代わりに、飴をなめている。ヨヨがほしがっているらしいので、飴をひとつあげた。

 ニニくんとミエラさんにも渡す。ふたりはぎこちないが、微笑みでうけとってくれた。

 がったん、と不自然に、急に馬車が停まった。ミエラさんがとびだしていく。俺も追いかけようとしたが、ニニくんが杖で俺の動きを封じた。ニニくんはヨヨになにか云い、ゆっくりと出ていく。

 追いかけたいのだが、ヨヨが俺のローブをひっぱっていて、小さくなにか云う。行くな、と云いたいのだろうか。ローブが破れそうだし、諦めて席へ戻る。ヨヨはほっとしたらしい。

 外から歓声が聴こえ、笑い声もした。それから、喜色満面のユラちゃんがやってくる。扉を開け、右手でなにかを指さして嬉しそうに喋っているのだけれど、意味がわからないので俺は曖昧に笑っていた。とりあえず、嬉しそうだから、笑ったのだ。

 ユラちゃんは俺の反応に、段々と表情をなくしていった。最後には泣きそうな顔になって、手招きをして居なくなる。

 ヨヨがぴょんと馬車を降りた。俺を手招いている。おりていいよ、かな。

 外に出た。声が沢山聴こえてくるが、意味はまったくわからないままだ。

 ヨヨが走っていった。ユラちゃんが指さしていたほうを見ると、馬車がある。リッターくん、カルナさん、タスが、並んで立っていた。その近くにほーじくんが居て、黒っぽい髪のひととがっちり抱き合っている。

 あの、まっすぐな髪は、サーダくんだ。


 小走りにそちらへ向かった。おいしそうな白桃色の長い髪の、俺は見たことがない男性が居る。身長は180cmないくらいかな。らくだみたいな優しそうな目許で、黒のローブを羽織り、その下にも黒い服を着ていた。

 そのひとはタスに向かってなにか云っているのだが、表情や調子を見るに、対立している様子ではない。タスが困惑しているみたいなので、お礼を云われているんだと思う。

 ほーじくんは腕をはなしたけれど、サーダくんはそうしなかった。ほーじくんの胸に顔を埋めて、すすり泣いている。きっと、お兄さんの自殺未遂を思い出して、サーダくんは相当不安だったんだと思う。ほーじくんがサーダくんの頭を撫でて、なにか云っている。

 ほーじくんが、サーダくんから連絡があったと云っていたのかもしれないが、俺はそれを理解できなかった。ユラちゃんはわかっていたから、あんなに嬉しそうに報告してくれたんだ。


感想ありがとうございます。はげみになります。

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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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