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俺は項垂れていた。ヨヨが俺の肩を撫で、はげましてくれているらしい。
あの感触と、直後の声から、ヨヨが俺にぶつかってきたのは間違いない。おそらく、俺がひとりでこっそり幕屋を出ていったので、心配になって追いかけてきたのだろう。これは事故だ。タイミングが悪かっただけ。
だが、結果は大きなものだった。
まず、ロック解除条件は、「井の水を飲む」。やることはひとつだけだし、井へ行ってお水を汲み、飲めばいいのだから、楽である。
さて、荒れ地にも井はあるらしいが、正確な場所は不明だ。かつて村やまちがあった近くに残っている、という話は聴いた。でも、ダストくんやハーバラムさんが荒れ地からかなり離れた井で宣言しているのを考えると、荒れ地にある井をさがすというのは現実的な解決法ではない。
で、俺が知っている一番近い井は、お水を汲んだことがあるところだ。無人なので、俺の能力を見られることもない、安全なところである。ただ、荒れ地近くの村から、それなりの距離がある。
市場やお店で神おろしが汲んだ井の水を売っていることはあるが、規模の大きい市場に限る話らしい。
最後にこれが重要なのだが、俺が持っている井のお水はあのひと壜が最後で、その中身は荒れ地にばらまかれてしまった。
呆然と座りこんでいる。これから、どうしよう?
言葉が通じないのは、凄く大変だ。それも、今までも通じなかったのならともかく、今まではなんでも通じたし、読み書きも完璧だった。それが突然喋らなくなり、筆談も無理となったら、もしかしたらみんな、俺がおかしくなったと思うのでは?
そもそも、「よそから来た」、である。その段階で充分やばい。その上「よそ」には魔法がないとか、職業がないとか、ほーじくんやユラちゃんを非常に動揺させた発言が続いている。
これって……かなり、まずいのではないだろうか。
最悪、頭がおかしくなった、と思われる。そうなったら、井や廟に預けるのが普通みたいだし、ほーじくん達が俺をどう思うかわからない。井に預けてもらえるのなら、お水を飲む機会がありそうだしありがたいが、廟にいれようなんてことになったら、一生スキルロック解除できない、なんてことになってしまうのでは。
あしおとで我に返った。俺の叫び声で起きたのだろう、リッターくんとほーじくんが手をつないでランタンを持ち、やってきた。ほーじくんが肩越しになにか云う。多分、マオを見付けたとか、そういうことだと思う。




