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多分だけど、タスに通訳を頼んだのかな。タスがヤラになにか云い、ヤラが上下したりしゅうしゅういったりして、なにか答えているらしい。その後タスが、ニニくんへ向けて喋る。するとまた、ニニくんが喋る。タスがヤラへ向けて喋る。その繰り返しだ。だから、通訳だと思う。
俺のことを話し合っているのは、なんとなくわかった。奇妙な病気になったと思われているのかもしれないし、突然口をきけなくなったと思われているのかもしれない。
そういうことは、こちらの世界ではよく起こるのかなあ。天罰と云っても、程度が軽いものから重いものまで、さまざまらしい。こんなのがよくある世界なら、いやだな。
食事をとって、歯を磨き、きがえて、横になる。といっても、眠るつもりはない。みんなが寝静まった頃を見計らい、外に出て、特殊能力のロック解除をするつもりだ。
しかし、ロックされたのが言語:異世界だけでよかった。もし収納空間までロックされていたら、今頃干上がっているか凍えている。その辺りは、神さまに慈悲があったのだろう。
もしくは、神さまにとっての「規約違反」みたいなものがあって、こういう場合にはこう対処する、というのが決まっているのかもな。常に見張っているのは大変そうだし、そういう「装置」をつくったほうが神さま業にさしつかえもないだろう。
今日は、ほーじくんは隣に来てくれなかった。俺も、よなかに外へ出るつもりなので、左右にひとが居ると起こしてしまうかもしれないし、丁度よかったのだ。でも、タスの隣に行くのは、どういうことなのかな。リッターくん辺りなら気にならないけど、なんか、ほーじくんってタスになついてない?
ユラちゃんはカルナさんミエラさんと並んで横たわっている。ニニくんはタスの隣で、ヨヨがその隣に走っていったので、ユラちゃんがどうやら悔しがっているみたいだった。
俺からは、ほーじくんの後ろ姿と、羽が見える。ランタンの淡い光に、羽は白っぽくつやつやして見えた。
リッターくんは、一番出入り口に近いベッドで寝ている。起こしてしまいそうだけど、どうしようもない。俺が外へ出ても、用足しだと判断してくれることにかけるしかない。
時計がないのは痛いが、結局全員が寝ているかが重要なのだ。今日の見張りはエクシザとマルジャン達だから、タスは寝ていていいし……。
そっと上体を起こす。目をこらして見てみても、誰も起きているふうではなかった。俺はそっと、じゅうたんを踏み、外へ向かう。リッターくんは疲れや怪我の影響なのか、俺がすぐ傍を通ってもまったく反応しなかった。




