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言語:異世界をとらなかったひとが存在しない、と考えることはむずかしい。居ないことはないだろう。そういうひとが魔法をつかえなかったら、どう考えても無理ゲーである。まあ、そういうひとは魔法つかえないしコミュニケーションもとれなくて、転移後すぐに死んじゃってるって可能性もあるが、そこまで厳しいものかなあ……。
伽羅子さんも、文字は読めないらしいけれど、魔法はつかえていた。魔法一覧に載っていて、魔力が足りてるとか癒しの力があるとか条件を充たしていれば、つかえるものなのだろう。文字として読めないとだめ、みたいなのだったら、なんぼなんでも厳しい。
座りこむ。幕屋をきちんとしたものにする手伝いをすべきなのだろうが、その気力がない。
あの気絶は天罰だ。それは、間違いない。じゃなきゃ、言語:異世界がロックされるなんてことは起こらない。単なる魔力の枯渇だとか、低血糖だとかなら、それが特殊能力に影響を及ぼすことなんてないからだ。
魔法と違って、特殊能力が増えることはない、と聴いた覚えがある。それと、一部の特殊能力と職業は統合されて、特殊能力欄に記載される、とも。
でも、特殊能力がなくなる、というのは、まきもどしの回数をつかいきってしまった開拓者だけだ。少なくとも、俺が聴いた限りでは。
その開拓者にしても、つかえなくなったら別のひとが開拓者になるのではなく、あたらしく生まれてくる。追加されることはない。
特殊能力をつかえなくなる、という話も聴いた覚えはない。忘れてるだけかもしれんが、忘れるとしたらごくめずらしい例だから、だ。自分に関係あるとしたら、多分覚えてる。
勿論、魔力が足りなくてつかえない、というのは、聴いたことがある。いきものを察知する能力は消費魔力が多いみたいで、だからライティエさんは魔力が伸びる職業を選んだのだ。
でも、今までつかえていた特殊能力が突然つかえなくなる、消える、なんて、聴いたことない。
だから、あれは天罰なのだ。
銃については、俺もうろ覚えだし、説明も(自分でもいやになるくらい)つたなかった。まったく違うものをたとえに出すしかないくらいだったからな。
でも火薬は、材料について説明しようとした。まあそっちも黒色火薬だけど、だとしても「天罰をくだせる誰か」にとってはこの世界にもたらしたくない情報なのだろう。
その誰かは、多分開拓者だと思う。もしくは、実存者。
或いは、こういうことを話そうとしたりやってみようとすると、自動的に天罰がくだるようにプログラムされてるか。




