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「もう出発できるぞ」

 俺がエクシザと近付いていくと、リッターくんが馬車から出てきた。慎重にステップを降り、エクシザを仰ぐ。俺はエクシザを肩越しに見た。「エクシザ、リッターくんと仲直りできる?」

 エクシザはぷいとそっぽを向く。その反応は予想していたので、俺は苦笑いでリッターくんに頭を下げた。

「ごめん。俺の監督不行届だった。リッターくんに怪我させて、ごめんね」

「いや、対処できない俺が甘かった。声もかけずに近寄っていったのも、問題だったな」リッターくんはエクシザに云う。「ホートリット、お前が(あるじ)をまもろうとした気持ちは立派なものだ。それにお前は強い。誇っていいくらいに」

 それなりに尊大な言葉だが、エクシザは誉められて機嫌がよくなった。下目蓋を軽くおしあげ、上目蓋は軽くおしさげて、二回、深く頷く。えーっと……仲直り、でいいのかな。強者同士の会話、よくわからないです。


 馬車のなかを見せてもらうと、前後に座席がついているタイプだった。頑張れば六人くらいのれそうだ。

 ただ、座席の下や、前方の座席の上などは、荷物でいっぱい。特に座席の上は、縦に長い長方形の、しっかり梱包された荷物が、ぎっちりのっている。小さいけれど厳重に封がされている包みが、その隙間にはさみこまれていた。

「これは?」

「下にあるのは俺とユラのきがえ、上にあるのは、薬とくいものだ。どれも主に、乾燥したものを持ってきた。トゥアフェーノ用のものが半分だな」

 リッターくんは座席の奥側を示す。梱包されているのはかわらないが、紐の結びかたが違うのがひとつあった。あれにはドライフルーツがはいっているらしい。「はじめはこちらにも幾らか積んであったが、それはもう食べた」

 リッターくんが後方の座席を示してそういった。成程、荒れ地に這入って、そこそこの時間が経過しているのか。じゃあ、まだ西の端は遠いのかな。それとも、魔物にいきあったりして、恢復(かいふく)の為に食事をしたり、思ったようにすすめなかった、のかも。

 こっちは魔法でお水を得られるので、お水がない分想像よりも少ないが、やっぱりそれなりの大荷物だった。俺はきょろきょろして、ほーじくんがせなかに庇ったヨヨを捕まえようとしているユラちゃんを発見する。「ユラちゃん」

「今忙しいの」

「ここの荷物、俺が一旦預かっていい? そしたらこれ、四人のれるよ」

「そうしてもらえるなら助かるわ」

 ユラちゃんはそう云いながら、ヨヨのマントを掴んだ。ほーじくんが、ユラ、とたしなめるように云って、それを振り払う。ユラちゃんは舌を出した。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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