表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3814/6869

3673


 ほーじくんの目が潤んでいる。リッターくんはなにも云わない。

「ぼくは責任から逃れようとしてた。マオを好きでいつづけるなら、かならず向き合わないといけない責任から。公がそう云ってるからとか、みんなそう思ってるからとか、ととさまが教えてくれたとかあたりまえだとかそういうのは全部、自分が逃げる為の口実だった。だってどれもぼくの考えじゃ()()()。ぼくは自分の頭で考えようとしなかった。判断を自分以外にしてもらってた。それが楽で、責任をとらなくていいから」

 ほーじくんはそこまで一気に云って、数回、深呼吸する。俺はなにか云いたいのだが、云えない。

「ぼくは()()()()だよ。リッターみたいに、気付いててもそんなの問題じゃないって云えるひとが、ほんとは、マオに相応しい」

 え?

 リッターくんを見る。気付いてても……って。

 リッターくんはきょとんとしていた。会話の流れにそぐわない表情だ。それに気付いたのか、なにかいいかけていたほーじくんが口を噤む。俺は急き込んで云う。

「ちょっと、リッターくん、気付いてたってどういうこと?」

「どう……?」

 リッターくんは眉を寄せる。「お前、グラーディアール邸で、魔法をつかったろう」

「え」

 ……あ。

 あれ?

 え、じゃあ、リッターくんあの時から、俺が悪しき魂かもって思ってたってこと?

 いや、うん。魔法はつかっちゃったから、魔法をつかえることはばれたっていうのは、それはわかってたけど、でもそうじゃなくて、悪しき魂かもって考える? っていうのが疑問なんだけど。ああ、冒瀆魔法について知ってた、とかかな。

 いやいやいやいや。リッターくん、相変わらず斜め上だな。悪しき魂だぜ。わかった瞬間警邏隊につきだすか、やわらかい対応であっても即刻関係を絶つ。悪しき魂が捕まった後に、関わってたってことでまとめて荒れ地おくりにされでもしたら、困るじゃん。この子、底知れねえな。


 ぽかんと大口を開ける俺におかまいなしで、リッターくんはもそもそ喋る。

「フォージ・ティヴァイン。お前は……なにか、勘違いしていないか」

「え?」

「俺はマオを愛している」

 はい?

 びくっとしてしまった。今度はなに?

 リッターくんは困った顔になっている。

「だがそれは、お前が思っているようなものでは……ない。まあ……その……兄達に対するような気持ちだ」

「あ……あに?」

 ほーじくんがそう云って、口を半分開いた状態でかたまった。リッターくんはちょっと目を伏せて、肩をすくめる。本当に困っているような仕種だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ