表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3800/6868

3659


 ほーじくんはベッドの傍に座って、リッターくんの手を握っていた。心配そうにリッターくんの顔を見ていて、たまに額を触ったり、小首を傾げて胸の辺りを優しく叩いていたりする。ほーじくんなりに、リッターくんを看護しているのだろう。リッターくんの顔は、ほーじくんの袖で拭われて、血はまばらに、かすかに残っているだけだ。

 すでに、怪我の治療はしてもらっている。ヤラがほーじくんを治療し、ヤラとニニくんでリッターくんを治療した。

 ニニくんは怪我人の気配を察したみたいで、ふらふらしながら戻ってきたのだ。ひどく酔ったひとのようなおぼつかないあしどりだった。

 その時ユラちゃんが、ニニくんに肩をかしていたタスに警戒を見せたが、さっきのエクシザのこと、ほーじくんがつれてきたヤラのこともあるから、攻撃はしないでくれた。警戒はずっと解かなかったが。


 ニニくんは治療を終えるとまた、タスにべったりはりついて、タスは仕方なしという感じでニニくんを抱えていた。

 ニニくんはリッターくんという、「祇畏士でも、短髪装飾品なし男性でもない、知らない男性」にこわさがあるみたいで、幕屋のなかに居るのを拒否した。

 リッターくん、髪飾りはないが、ピアスはしっかりばっちりつけているし、体格も俺やほーじくんよりいいからな。身長はほーじくんより低いと思うけど、胸板の厚さが違う。ニニくんには、恐怖の対象らしい。

 タスも充分体格がいいけど、顔が人間とはまったく違うし、俺とほーじくん以外とはほとんど口もきいていない。自分に積極的に関わろうとしない相手は、安心できるみたい。

 なので、ニニくんは今、タスと一緒に外に出ている。寒くないように毛皮のローブを渡しておいたし、マルジャンも一緒だから、大丈夫だろう。


 リッターくんが小さく呻いて、目を開いた。「リッター?」

 ほーじくんがほっとしたみたいな声を出す。リッターくんは自分の手をほーじくんがしっかり掴んでいるのを見て、数回瞬き、ああ、とかなんとか云った。

「大丈夫……?」

「ああ。問題ない」

「よかった」

 ユラちゃんがリッターくんのベッドの枕許に、どすんと腰掛けた。必要以上に大きくて煩い動作だ。リッターくんがユラちゃんに気付き、云う。

「お前は黙っていても煩いのだな」

「あんたは口を開くと煩いわ」

 ユラちゃんはぴしゃりとやり返して、こちらへ手を伸ばした。「マオ、お菓子頂戴」

 いつものユラちゃんとリッターくんで、俺は安心とか動揺とか、それからふたりにも心配させたんだろうなとか、色々考えてしまい、また泣いてしまった。ユラちゃんがうろたえている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ