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 リャクークがぴいっと鳴いて、こちらへ戻ってくる。食べかけのサボテンはそのまま、放置していた。どうしたんだろう。

「ほーじくん?」

 ほーじくんは立ち上がり、それからかがんで、念の為に持ってきていた杖をとった。姿勢を正し、西のほうを見ている。焦りのようなものが感じられた。俺もそちらを見たが、丁度夕日があって、目が痛い。思わず目を瞑って、顔を背ける。

 太陽光を手で遮りながら、云った。「ほーじくん、どうかしたの」

「なにか来る」

 え?


 ほーじくんが俺をリャクークにのせ、リャクークは俺がしっかり掴まる前に走りはじめた。ほーじくんはリャクークの真横を並走している。あ、違うわ、並飛行。

 必死でリャクークに掴まりながら訊いた。

「魔物?」

「人間だと思う」

「え」

 大きな声が出てしまった。だったらどうして逃げるんだ?

 ほーじくんはもごもごと続ける。

「馬車みたいだった」

「え、じゃあ、逃げなくても」

 ほーじくんはしかめ面をしている。逆光で、細かい表情まではよみとれないが、それははっきりわかった。

 ほーじくん、こわがってる?

 ほーじくんは早口に云う。

「あにさまじゃない。あにさまだったら、伝糸でなにか云ってくる筈だから……誰かわからないし、レットゥーフェルが居たほうが、安全」

「あ、うん」

 そんなことないよ大丈夫、なんて、無責任なことは云えない。俺は頷いて、前を向いた。リャクークはそれなりの速度で走っている。振り落とされないように、手に力をこめる。

 サーダくんだったら、声が届く範囲にほーじくんが居ることは、伝糸でわかる。伝糸は、自分の声が届く範囲に相手が居るかどうか、わかる筈だ。リューさんが行方不明になった直後、伝糸の届く範囲にまだ居る、というような言葉を耳にしたし、緑珠さんが、ハセベさんっていうひとがたまに大内さんの伝糸の範囲内にはいるから、生きてはいるんだって云ってた。

 目視できる距離なら、サーダくんの伝糸は届くと思う。錬金術士殺しを採集に行った時、サーダくんの姿が見えるずっと前から、サーダくんはバルドさんに伝糸で話しかけていた。

 ってことは、ほーじくんが見たのが馬車だとしても、それにサーダくんはのっていない可能性が高い。

 収穫、もしくは、犯罪者を荒れ地まで送ってきた馬車かな。

 もしかしたら、ほーじくんが居なくなったことがばれて、ディファーズの祇畏士協会が捜索隊を送りこんだのかもしれない。

 そんなことはないと思いたいけど、でも、可能性で云ったらない話じゃない。もしそうだとしたら、ニニくん達が危ない。一緒に戻れないかもしれない。悪くすれば、ニニくん達に危害を加えようとするかも。


感想ありがとうございます。はげみになります。

誤字報告ありがとうございます。たすかります。

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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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