3649
「もうちょっと、休憩にしようか」
タスは俺がそういう前から、幕を張り直している。三人はさいわい、じゅうたんの上に倒れてくれたので、砂に埋もれていたりはしない。その上、マルジャンとエクシザが砂よけになってくれていた。
俺はそれを見てから、ヤラの傍にかがみこむ。「ヤラ、三人とも、死にそうではないんだよね? 寝てたら、治る?」
頷きが返ってきた。となると、ここで休むか。
もし重篤な状態なら、一番危険なひとをタスに運んでもらうという手もあった。勿論、その場合はほーじくんにも一緒に行ってもらう。そうすれば、レットゥーフェルと重犯罪者がタッグを組んだとは思われない。祇畏士が一緒だもの。
が、それはそれで、別の危険がある。こちらがおちる危険だ。
エクシザが強いのは認める。エクシザは、ひとりでも相当なところまで戦えるだろう。ただ、ここは荒れ地だ。エクシザのホームグラウンドじゃない。エクシザは常に軽い熱中症状態で、万全じゃない。
それに、俺は鈍いから戦いに役立っているとはとても云えない。実際、偸利がなかったら詰んでるし、あっても目視できないと非常に弱いというのがさっきよくわかった。
マルジャンとヤラは打たれ弱いから、無理をしてほしくない。どちらも、熱中症対策になくてはならない人員だし、そもそも大事な仲間なのだ。
勿論、リャクークは戦えない。また魔物に襲撃されたら、リャクークは砂に潜ってしまうだろう。
その五人で、気を失った残りふたりを見ているというのは、不安しかない。魔物の大群、もしくは巨大ヴェルツにでも襲撃されたら、ひとたまりもない。
ヤラの見立てが正しいか、わからないが……ほーじくんが危険な状態だった時は、ヤラはそれを理解していた。恢復魔法がきいたかどうかはわかるのだろう。なら、ここで休憩していたらよくなるというのも、多分あっている。
「もう少し、燕息、ためしてみてもらえるかな」
そう頼むと、ヤラは頷いて、三人の許へ走っていった。頼りになる。
リャクークの鼻面を撫でて落ち着かせているほーじくんが、俺を見ていた。俺は立ち上がって、そちらへ行く。微笑んだ。「休憩、長引きそう。折角だから、俺達もしっかり休もう」
ほーじくんは無表情に頷いて、リャクークのせなかを撫ではじめた。
結局タスは、かなりしっかりと柱を埋め込み、俺が出した椅子やベッドで補強し、幕屋を建てた。その間、三人は目を覚まさなかった。ニニくんが酷くうなされた瞬間があったけれど、タスがそれを抱え上げてベッドへ寝かせると、ちょっと落ち着いた。




