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翌朝、ほーじくんはなんだかはずかしそうで、俺と目を合わせてはくれなかった。俺、なんかしたっけ? 好きだよ、居なくならないよ、って話しただけだけどな。
ミエラさんは、ひと晩しっかり眠ったからか、顔色が少しよくなっていた。ただし、やっぱりまだ固形物はやめておいたほうがいいと判断して、ふかしたかぼちゃを裏ごししてホットミルクにまぜ、お塩をいれたものを、小さなマグに注いで渡す。「すみません、特別につくって戴いて……」
「気にしないでください。あ、こっちは絶対に飲み干してくださいね」
かぼちゃスープのマグとは別に、かなりうすめた経口補水液のゴブレットも用意した。食事をとれないと、食事で摂取する筈の水分もとれないということだから、脱水のおそれがある。なので、ミエラさんはほかのひと以上に、水分補給に気を配らないといけない。
といっても、生のフルーツやそのジュースは、なんとなくこわいので、渡さなかった。おなかが吃驚して、また吐いてしまうのではないかと思ったのだ。
ニニくんとカルナさんは、順調に胃腸がもとの状態へ戻っているようで、食欲はある。パンがゆと、りんごのコンポート、ふかしたかぼちゃとじゃがいもを食べてもらった。
ほーじくんは雑穀クラッカーとホットミルクと、ちょっと食欲がないらしい。ミエラさんみたいに、うすめた経口補水液を渡しておいた。
エクシザは今朝も、昨夜魔物を食べておなかの具合がいいそうなので、俺からはなにも提供しない。どうも、エクシザなりに気を遣ってくれているらしい。俺の持っている食糧が減っているだろうから、自分でまかなえるならそうする、ってこと。
マルジャン達にはさつまいもと菊芋、タスにはくだものとうすめた経口補水液を渡しておいて、俺は急いで食事をとった。ゆでたまごのサンドウィッチと、トマト二個、すいかのジュースだ。食べ終わると、食事がいつだって誰よりもはやく終わるタスと、幕屋を出る。持っていても仕方ないものなどを、還元してもらうのだ。
ごみは結構たまってしまう。どうしても食べられない野菜やくだものののへたとか、食糧の包み紙など、だ。へたに関してはその辺に放置しても、例のまるまっちい虫が来て持っていくのだが、それはそれで問題がある。あの虫、エクシザが食べていたのを見てもわかるように、それなりにおいしいらしいのだ。ニニくん達も、捕まえてあぶって食べていたらしい。
つまり、あの虫が沢山来ると、それを目指して魔物がやってくる可能性がある。




