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「きょうだいに、死のうとしたひとが居るなんて、云ったら、みんなにきらわれるって……ととさまが黙っていなさいって云ってた」

 俺とほーじくんは、小刀でサボテンを切り倒そうとしている。上は手で簡単にちぎれるくらいやわらかいのに、根もとのほうは皮が案外かたい。小刀でも、作業は遅々としてすすまない。

 だいぶ、寒くなってきたけれど、俺達は作業を続けていた。ほーじくんとふたりきりで居られるのが、心が安まる。

 ほーじくんとバトンタッチした。彼はのこぎりをつかうみたいに、ゆっくりと小刀を前後させる。

「それは、お兄さんの名誉の為でもあると思うよ」

「そう?」

「親は子どもの為に、いろいろしてあげたいものなんだって」

 ほーじくんはちょっと考える。その間、手は完全に停まっていた。

 再び、サボテンの伐採がはじまる。

「そうだね」ほーじくんの横顔は、やわららかい表情だ。「ととさま、ファズダあにさまのこと、大切に思ってるんだね」


 サボテンを二本切り倒して、収納した。マルジャン達に食べさせられるものが増えて助かる。

 エクシザがどたどたやってきて、なにか身振り手振りした。タスがすーっと飛んでくる。「まわりを見てまわりたいそうだ。食べたらんのだろう、ホートリット?」

 エクシザがタスを睨む。そういやあ、エクシザはやすでを食べようとしなかった。むかでは苦いって聴いたことあるけど、やすでもあんまりおいしくないのかな。

「睨むな。わたしも一緒に行こう」

 エクシザがけんと鳴く。いやがっているらしい。

 タスが俺を見た。「マオ、ゆるしをもらえるか」

「え? えーと、危なかったらすぐに戻る、無理に戦わない、収穫や(ぎょう)に来た人間だったら」

「襲わない。罪人は、放っておく。間違いないか?」

 俺は苦笑いで頷いた。エクシザが不満げに鳴いている。

 結局、ふたりが周囲を巡回し、魔物が居たら退治してくることになった。エクシザは不満そうだったが、タスと一緒なら出かけていいよと云うと納得したらしい。タスがマルジャン達に、きちんと見張りをするようにといいふくめ、ふたり揃って飛び立っていく。

 遮蔽物はないけれど、起伏はそれなりにあるので、その向こうに居た魔物と丘の上でコンニチハなんてことが起こりうる。周囲の魔物を退治してくれるのなら、ありがたいことこの上ない。明日の移動が楽になるといいな。

 俺とほーじくんは手を洗い、あたたかいお茶をいれる。ニニくん達が起きたので、お茶をすすめた。毛皮のローブにくるまって、みんなであたたかいお茶を飲んだ。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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