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午后の移動では、魔物に二回遭遇した。魚の骨の群れと、やすでの群れだ。だいぶ、荒れ地でも浅いところまで来ているらしい。やすでさんが増えてきた。
ほーじくんが清絶をつかい、全体的に弱らせたあと、タスが偸利、カルナさんが剣、ミエラさんが拳でとどめを刺す。ほーじくんもちまちまと魔法をつかっていた。
俺も、リャクークのせなかを降りて、ちょっとだけ魔物に近付き、こっそり偸利をつかう。さいわい、ばれた様子はない。たまにほーじくんが来てくれて、俺が彼に魔力薬を渡したり、お水を渡したりするので、そういう補給の為にリャクークのせなかを降りたと認識されている。
二回とも、魔物を倒し終わるとほーじくんが滅却し、タスが還元した。素がきらきらしているなかで、魔力を恢復し、お水を飲んだり塩飴を嚙み砕いたりする。タオルで汗を拭い、汗が酷いひとは上だけきがえたりした。
運のいいことに、その晩はまた別の水場まで辿りついた。
「これ、ほんとにおいしいねえ」
廃帝花が、この間の水場程ではないけれど、少しだけ生えていた。ここはほとんどがサボテンだ。かじられた痕のあるものが多いので、トゥアフェーノが住んでいる場所に近いらしい。
俺は廃帝花の実をかじり、ほーじくんはリャクークに、ちぎったサボテンを食べさせている。タスは幕屋のなかであぐらをかいて槍を手入れし、エクシザは水たまりの傍でまるまっちい虫をついばみ、マルジャンとヤラはサボテンをかじって一本倒し、分け合って食べていた。マルジャン達、サボテン好きなのかな。云ってくれたら、収納しといたのに。
ニニくん達三人は、幕屋のなか、じゅうたんの上に寝転がっている。さっき、ヤラの治療をうけてもらった上で、コーンポリッジとりんごジャム、あぶったチーズという夕食はとってもらっていた。チーズはほんの少しだけにしたけれど、重たかったかもしれない。でも、タンパク質もきちんと摂取してほしい。うーん、だめなのかなあ? 俺、医学の知識なんてないんだよな。点滴があればいいけど、そんなもんこっちにはないもん。
絶食状態がそれなりの日数続いていたのだ。突然固形物を大量に食べさせる訳にはいかない。なので、俺達はサンドウィッチを頬張っていたが、ニニくん達にはおかゆやジャムで我慢してもらっている。
俺は廃帝花の実をもいで、ほーじくんの傍へ行った。ニニくん達は眠っているらしい。水分や塩分は、多分まだまともではないだろう。本当なら救急車で病院へ運ばれているような状態の筈だ。低カリウム血症とかさ……。
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