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装飾品なら身につけることはいやではないみたいだが、俺が持っている効果付きのアクセサリは、ツィーさまにもらったブラックオパールのペンダントだけだ。さすがにこれは、幾らマルジャンとヤラでもかせない。
なので、心配だけれどふたりは防具なしになった。俺はふたりに菊芋を与え、その場を離れる。一応、エクシザにも訊いておこう。
「エクシザ?」
エクシザは氷がなくなったたらいにまだ沈み込んでいた。俺は収納空間から氷を出して、お水に落とす。エクシザは小さくきいっと鳴く。
「あのさ、なにか装備ってできる? ああ、エクシザが装備できるようなものがあるかどうかは別として、知っておきたいから」
エクシザはぶっと鼻を鳴らした。
いろいろと訊いてみたが、エクシザも装飾品オンリーらしかった。武器を蹴爪で掴むことはできるそうだ。だから、戦闘が始まったらその辺に武器をばらまいておけば、エクシザはそれをつかって攻撃できる。
ひとつ難点を云うならば、その辺の武器よりもエクシザの蹴爪のほうが強いということである。武器を掴む時間を考えると、エクシザが素直に蹴爪で攻撃したほうがはやいし確実だ。
ということで、マルジャン、ヤラ、エクシザは、装備なしが決定した。心配なんだけど。
「タス、必要なものある? 装備品」
タスは普通に武器をつかうし、防具も装備している。なので、近寄りながらそう訊いた。
タスは肩をすくめるみたいな動きをした。肩の辺りが人間とちょっと感じが違うので、人間程大きな動きはない。
「今のところ、ない。胸当てが壊れたら、融通してもらえるか」
「いいよ」
融通、というのがなんとなく面白くて、俺はくすっとしてしまった。
タスにどうでもいいようなことを喋りながら、離れたところに居るほーじくんと、三人を見た。カルナさんとミエラさんは手をとりあって、不安そうにほーじくんを見ている。ニニくんとほーじくんが喋っているらしい。やっぱり、俺が居ると喋れないことはあったようだ。
しばらくすると、ニニくんが深々と、ほーじくんへ向けて頭を下げた。一瞬遅れて、カルナさんとミエラさんもそうする。ほーじくんは頷いていた。
ニニくんとカルナさんが、少し緊張のとれた顔で喋りはじめ、ほーじくんがすーっとこちらへやってきた。三人の表情からすると、ハイオスタージャ家は(少なくともほーじくんの認識では)改易されていないのだろう。追加の処分がなにかあったかもしれないが、それもたいしたものではない、のじゃないかな。
そうだといい。




