表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3748/6869

3607


 ニニくんは苦い顔だ。

「僕にもおもう相手が……それで、結婚はできないと云ったら、これです。ミエラにまで迷惑を」

「迷惑ではありません」

 ミエラさんはきっぱりと云う。険しい表情だったが、すぐに笑み崩れた。「それに、こうやって祇畏士さまのご一行が助けてくださったのです。開拓者はわたし達をお救いになったんですよ」

 ニニくんとカルナさんは、救われたみたいに頷いてほーじくんを見たけれど、ほーじくんは顔をしかめている。


 三人に魔力薬をひと粒ずつ分けた。三人とも顔を洗いたいそうで、タスについていてもらう。タスやエクシザについては、駆使魔法と思ってくれているようだ。

 ほーじくんは顔を洗う三人の後ろ姿を睨みながら、不機嫌そうに云った。

「まお、あぶないよ」

「え? なにが?」

「……やっぱり、人間と一緒に居るのは、危ない」

 低い声だ。

 ほーじくんの云いたいことは、わからないでもない。俺はほーじくんのせなかを、軽く叩く。ほーじくんはもごもご、云う。

「魔を察知する能力があったら? マオのことをおかしいと思ったら? 攻撃してきたら?」

「それは、その時だね」

 そうとしか云いようがない。

 多分、そうなったら、俺は反撃する。もう封印されたくないし、滅却だって勿論いやだ。

 当然、ほーじくんに迷惑をかける気もない。なにかあれば自分で対処する。自分の手で、排除する。

 こちらの世界でやっていくには、それしかないんだろう。


 三人が戻ってきた。俺はタオルを渡し、三人は恐縮してうけとる。顔を洗っても額のしるしに変化はなく、寧ろ汚れがとりのぞかれて鮮やかさが増していた。

 俺とほーじくんは、サンドウィッチを食べている。三人にはまだすすめられないので、塩飴とお茶を提供した。収納空間からいろんなものが出てくるので、三人とも戸惑った様子である。

「それで」サンドウィッチを飲み込み、三個目を掴む。「罪状は、なんなんですか」

「さあ」

 ニニくんは首をすくめ、お茶をすする。カルナさんとミエラさんが顔を見合わせ、ミエラさんが云う。

「わたしは、ニニさまとカルナさまをそそのかしたと……」

「ああ、そうだったね。ごめん、ミエラ」

「いえ」

「レティアニナは、反抗的な態度というのが問題になっていなかった? わたしは、ああ」カルナさんは顔をしかめ、頭を振る。「口にしたくもない罪ですの」

 ニニくんもミエラさんも苦い顔になり、ニニくんがカルナさんに謝罪した。カルナさんはまったく、まきこまれた格好の荒れ地おくりのようだ。これくらいで荒れ地おくりにするなんて、どうかしてる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ