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 そういう魔物が、人間の悲鳴を真似して、荒れ地おくりの人間や収穫に来た人間をおびきよせるというのは、おこりうるのだろう。この環境では、人間は充分な水分と栄養を蓄えている、いい食糧だろうから。

 ほーじくんが不安そうに俺を見ている。俺はにこっとして、ほーじくんの腕を軽く叩いた。彼を不安がらせるのは、本意じゃない。

「大丈夫。勝手に行動しないよ。ほーじくんから離れないようにする。だから、まもってね」

 ほーじくんは、安心したように頷く。「ちゃんと、まもるよ」


 じりじりと、時間がすぎる。もしかしたらタスとエクシザは戦っているのかも、と思って、ふたりに魔力を送っておいた。偸利は、相手の魔力や体力を奪う魔法だけれど、発動に多少、魔力を必要とする。

 みたい、だ。魔法一覧には、くわしく書いていない。不親切なことにな。でも、そんな感覚がある。なので、タスがせめて偸利だけはちゃんとつかえるように、魔力を分けたのだ。

 マルジャンとヤラは、俺とほーじくんをまもってくれるつもりみたいで、マルジャンが俺の前、ヤラが俺の後ろに、それぞれこちらにお尻を向けて立っている。荒れ地の環境はふたりにもつらいものではある筈なのに、頑張ってくれているのだ。

 十分も経っていないのだろうけれど、凄く長い時間に感じた。収納空間から出した氷をほーじくんに食べさせ、自分も口へ含んでいると、ついっとタスが戻ってきた。俺はそれに、軽く手を振る。砂と風をよける為の布で、口許もきちんと覆った。

「どうだったの」

 タスは俺の前に着地し、目をぎょろりとさせた。「荒れ地おくりにされた人間だ。ヴェルツにたかられていた。気を失っている」

 やっぱり伝糸がほしいな、と思いながら、頷いた。

「エクシザは?」

「ヴェルツを食べている」

 だと思ったよ。


 エクシザは、おなかがすいていて、移動には応じないそうだ。使役しているから、無理にでも呼び寄せることはできるのだが、そんなことをしたら恨まれるのは間違いない。

 俺はこめかみをほぐす。暑さもあるし、エクシザの行動で、なんとなく頭が痛い気がしているのだ。状態異常無効なのに。

「えーと。何人居たの」

「三人」

 少人数だな。よほど、魔法がつかえるとか、素手でも強い職業だとかそういう特殊能力があるとか、癒しの魔法をつかえるのではない限り、荒れ地では一日も生きられまい。

 ……ん?

 もしかしたら、そのひと達を運んできた警邏隊が、この辺りにまだ居るかもしれないってこと?


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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