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 恩寵魔法も冒瀆魔法をつかえないひとだと、逃げるのも反撃するのもできないで、死んでしまうのだろうな。

 迷った、としても、方角がわからなくなることもない。

 谷などの通ることが困難な地形はないので、迂回しているうちに方角がわからなくなるなんて事態にはならない。そうなったとしても、太陽ですぐに確認できる。まっすぐ西へ向かうのは不可能ではない。ていうか、今現在俺達がそれをやっている。


 だから、もっと浅い地域で仲間達とはぐれた、(ぎょう)や収穫に来ていたひと達、とも考えられない。西へ向かうのは、そんなに難しくはないだろう。俺達から体力を奪い続ける太陽が、さんさんと照りつけているからな。

 (ぎょう)や収穫に来るひと達が、太陽が西へ沈むことさえ知らないなんてありえない。そんな面白いことあるか?

 あるいは、仲間とはぐれてひとりきりで、戦えないから魔物を避けていたら東へ向かってしまった、というのも、ないと思う。なら、あの蟻塚みたいな魔物にはひっかからない。

 だって、蟻塚みたいなのは沢山あった。勿論、その下の白骨も。

 ひとりきりであそこまで辿りついたとしたら、ほかのひとがすでに犠牲になっていて、蟻塚状態のあいつを目視できる筈だ。(ぎょう)でも収穫でも、荒れ地に居る魔物がどんなものかをひととおりは学んでから来るだろうし、蟻塚みたいなやつは俺から見てもなんかいやな感じだった。魔物を避けて移動していたのなら、尚更近寄るまい。あいつらはあの状態になると動かないらしいし。

 ということは、あの人数がいっぺんにひっかかったのだ。だから、重犯罪者で、そういうひと達が団結して移動していたのだろう、というのは、頷ける。


「荒れ地おくりになるひとって、多いんだね」

 俺がそう、感想をもらすと、ほーじくんはどこかが痛いような顔をして項垂れてしまった。タスが肩をすくめる。

 犯罪者を荒れ地へつれてきたひと達、という可能性が頭を掠めたが、それこそありえない。荒れ地に対応した編成で来るだろうし、刑罰を与える立場の人間が傷付いていたらもともこもないではないか。そんな事故があったら、二度と起こらないように対策が練られて、実施される。それが不可能ならば、そもそも荒れ地おくりが廃止されていると思う。

 悪しき魂持ちは、荒れ地にも送られないで殺されることが多いのだし。

 なんとなく沈んだ気分で、俺は歩き続けた。タスがほーじくんのせなかを軽く叩き、どうやらはげましているらしい。仲好くなってるなあ。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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