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それは実感してる。あの魔物には恩寵魔法だけじゃなく、冒瀆魔法もきくけど、それはほーじくんは知らないよな。
っていうか、人間が冒瀆魔法をつかうという想定がまずない。そんな人間はまともじゃないから、まず間違いなく処刑である。荒れ地おくりにもされないで、さっくり首でも刎ねてお仕舞である。
だって、魔王は荒れ地にたったのだ。荒れ地は魔王のホームグラウンド、というのは、こちらのひと達にはすりこまれている。冒瀆魔法をつかえる人間を、荒れ地に放つ訳がない。
俺は荒れ地つらいけどな。つかえるのは冒瀆魔法だけだから、お水も出せないし、収納空間があってマルジャン達が居るからなんとかなってるだけ。その助けがなかったら、ひからびて死んでる。
この辺の魔物には、冒瀆魔法はそれなりにきくのだと思う。というか、どこの魔物に対しても、そいつが悪しき魂持ち、善なる魂持ちでないならきく。理論的にはそうだ。
魔王が荒れ地に住みついたらしいのは、この辺りの魔物に、冒瀆魔法をつかえるやつが多いから、かもしれないな。感覚的に、冒瀆魔法をつかえるやつが多いと思う。
冒瀆魔法をつかえるってことは、大概の人間には強いってことだ。軍隊が攻め込んできても、そいつらを防波堤にできる。魔王なら、ある程度の能力値であれば使役は簡単だし。
で、冒瀆魔法をつかう魔物を突破できる祇畏士とか、魔術者の魔導士とか、万能だの不倒だの不抜だののひと達は、魔王が直に攻撃すればいい。禍殃と叫喚と偸利をくらって平気な人間は居ないだろう。
そうやって弱らせて、そのうちのひとりでも使役できたら、儲けものだ。同士討ちがはじまれば、弱った人間をまた使役して、と、うまくやれば全員とりこめる。使役が解けない限り、魔王の手下は増え、強化され続ける訳だ。
やっぱり、考えれば考える程、迷惑なんだな、魔王。
どちらにせよ、あの魔物の下にあった白骨は、荒れ地おくりにされたひと達のもので確定だ。収穫なら、ほーじくんの云うとおり、馬車がある。魔物に襲われて馬車を失ったのだとしても、ここは相当深い地域だから、そもそもここまで収穫に来ない。薬材採集なら、手練れの傭兵を雇うだろうし、もしかしたら行に同行するかも。
行に来た一行、ということもないだろう。だとしたら、祇畏士が確実に居る。なら、恩寵魔法であいつらは枯らされただろう。小さくて気付かない、としても、体力と魔力が減り始めた段階で恩寵魔法をつかえばいい。それくらいできないで、こんなところまで行に来る人間も居まい。




