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孤独、と思ったのは、ほーじくんがミューくん達のことをまったく話さないからだ。
だから俺がおそれていたみたいに、なにかがあって、ほーじくんはミューくん達から距離をとっているのだろう。もしも、俺を封印したことを後悔していて、どうしたらいいかなやめば、相談できる相手は本来沢山居る。
賢くて封印や悪しき魂にくわしいユラちゃん、記憶力が抜群のサキくん、お金持ちで資料を集めるのを手伝ってくれそうなジーナちゃん。
ユラちゃんは、実際に封印を検証できるのだから、相談されたら絶対に断らない。いろんなことを試して、記録をとりたがるだろう。
サキくんは他国の貴族についても、相当細かい数字を覚えていた。封印についても、ほんの少しの記述でも覚えているだろう。それを辿って、必要な資料を見付けてくれるかもしれない。
ジーナちゃんのお家は、ほーじくんという祇畏士、それも家柄のいい子が、封印について調べているとなったら、ジーナちゃんがミューくんと縁付く為にもと考えて、資料集めくらいしてくれそうだ。
リッターくんだってお金持ちで、古くからのお家の子で、資料集めくらいしてくれる。リッターくんは大体、友情に篤いのだ。ほーじくんが困っていたら、絶対に助けてくれる。
リオちゃんは商会長でもあるんだから、裾野以外の地域の資料でも集めてくれるかもしれないし、人脈がありそうだからそう云った研究者と渡りをつけてくれるかもしれない。
ミューくんは、ほーじくんを落ち着かせ、不安をとりのぞいてくれただろうし、ミューくんが居たらほーじくんはこんな危険なところまで来ていない筈だ。ミューくんが停めてくれる。
なにかがあって、ほーじくんはミューくん達と距離をとっている。それは間違いない。きっと、ほーじくんから離れたんだろう。俺を封印したことを、凄く悪いことだと感じていたみたいだから。
ほーじくんはちょっと俯いていたが、顔を上げた。
「ぼくは、そのことを考えついたら、もうそれしか考えられなくなって……マオにもう一度会って、ごめんなさい、して、ゆるしてもらえなくってもしかたないけど、でもあやまって、それでマオを、みんなに返すんだって思った。みんなから、マオをとりあげたから」
「みんな?」
「ミューや、サキや……」
ほーじくんは、もごもごと云う。「ぼくはマオにきらわれてるとおもったから、だからせめて、みんなにマオを返したかった。酷いことしたのは、ぼくだから。ぼくは、マオにもう一度会えるだけで、充分だって思ったから」




