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魔物達にもきちんと食糧をあげた。エクシザが食べるお肉はどんどん高級品になっていく。マルジャン達は、火を通していないさつま芋でも喜んで食べてくれた。タスはこわい顔や禍々しい噂に似合わず、草食みたいで、お肉やお魚はほしがらない。水分の多いくだものを食べている。
食べながら、相談だ。
「とりあえず、水場まで行こうと思ってるんだけど、どうかな、ほーじくん」
「うん……いいと思う……」
タスはなにも喋らないし、チャタラ達もエクシザもそうだ。四人にも相談したかったのだけれど、参加してくれない。
俺はサンドウィッチをかじりながら、思い出したことを口に出す。
「ねえ、昨日は訊けなかったけど、ほーじくん、どうしてこんなところに、それもひとりで居たの?」
「それは、」
ほーじくんは口を噤んで、しばらく黙る。訊かないほうがいいことだったんだろうか。でも、気になる。
ほーじくんは、サンドウィッチを食べてしまって、ハーブティをちびちび飲んだ。俺は質問の答えは諦め、明るい声で云う。「お砂糖、要る?」
「ううん……あの、ね、マオ?」
頷く。ほーじくんは、マグを置く。「ぼく……行から、ぬけだしてきた。マオに会いたくて……」
俺に?
ほーじくんは、サーダくんと一緒に行に来た。勿論、還元士、癒し手も一緒だ。癒し手はふたりだったし、サーダくんが、ふたり、戦いに向いた職業の傭兵も雇っていた。
ほーじくんは俺を封印したあと、そのことを誰にも云わず、行を沢山やって、魔物退治などにも率先して参加した。魔物を退治して、滅却をどんどんこなした。行も、沢山やっている。
「そうしてたら、自分が、正しいみたいに、思えて……あにさま、達も、誉めてくれるし、先生も。でも、マオを封印したの……時間が経つほど、苦しくて、つらくて……ぼく、消えてしまいたかった。死んじゃいたかった」
低声で云うのに、俺は心臓をぎゅっと掴まれたみたいな気分になる。ほーじくんのショックは、とても大きなものだったらしい。そんなに気に病まなくて、よかったのに。
俺はほーじくんを恨んだり、ほーじくんに怒ったりはしていなかった。だって、こちらの世界では常識的、というか、良識的な行動をとったのだ。ほーじくんを責めるつもりはなかったし、今もない。それは、酷だろう。
ほーじくんは目をしばたたき、からになったマグをおろす。
「それでぼく……考え、たの」
「……なにを?」
「マオをとりもどす方法」




