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翌日は気分が最悪の目覚めだった。寒すぎて頭ががんがんしているし、四肢がこわばっている。
のろのろと体を起こすと、毛布を二枚かぶっていた。それでもこんなに寒いのか。
どうやら、タスが俺とほーじくんの上から毛布をかぶせてくれたらしい。ほーじくんはすうすう寝ている。可愛い。
ほーじくんのほっぺたをちょんとつついてみた。起きない。可愛い。
もうしばらくほーじくんを観察していたいが、寒いのがどうしようもない。俺は毛布から這い出して、チュニックとずぼんをもう一枚ずつ身につけ、あつでのローブを羽織った。サンダルをブーツにはきかえる。
寒いのを我慢して、幕屋の外へ出た。出入り口のところで、タスが槍を持って立っている。「おはよう」
「ああ」
「毛布、ありがとう」
タスは肩をすくめる。
タスに幾らかくだものをあげて、幕屋から少し離れたところへ行った。エクシザがのそのそついてくる。護衛、ということらしい。仕方ない。
用を足し、歯を磨いて、顔を洗った。わずかな水分でもほしいのか、ちょっとするとまるっこい虫が集まってくる。かなぶんをもっとまるくさせたというか、なんというか、俺が得意じゃないタイプの虫だ。
それと、おなじみのやすでさんも発見した。といっても、魔につかれていない、大根サイズのやつだ。ずりずりと砂の上を移動していたが、すぐに砂のなかへ潜ってしまった。この辺には、あのやすでさんの食べられるものはないのかもしれない。
エクシザが蹴爪でやすでさんを蹴ろうとしていた。食べるのではなくて、遊びみたいだ。
幕屋へ戻る。ほーじくんが起きていて、タスとなにか喋っていた。「マオ」
「おはよう、ほーじくん。お喋り?」
ほーじくんは首をすくめるみたいにし、タスが云う。
「お前がどこに行ったのかを気にしていた」
「あ」
ほーじくんは口を開け、赤くなる。俺の心配してくれたんだ。可愛い。
でも、あんまりそのことを云うのはいやがられるかもしれないので、俺はにこにこしてほーじくんにブーツや、厚手のローブを渡す。あと、歯ぶらしと、お水のはいったゴブレットも。
ほーじくんはブーツにはきかえ、ローブを羽織り、マルジャンと一緒に外へ行った。しばらくすると戻ってきて、朝ご飯だ。
安易にたき火をすると、凶悪犯がよってくるかもしれない。が、こちらには熱魔法をつかえるチャタラが居る。ついでに、俺の収納空間は、あたたかい状態でいれたものは出し入れしなければずっとその温度だ。
サンドウィッチとくだものはつめたいが、ハーブティはあたたかいものを戴いた。沙漠で優雅な朝食だ。ハムサンドウィッチおいしい。




