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ひとりキングが居るんだから、あとはエースとかジャックとかでいい……って、どうでもいいわ。
「レットゥーフェルとどう違うの」
「王になると、つかえる魔法が増えるが、あとは知らん」
うー、普通のレットゥーフェルを使役してないから、パラメータ的な違いがわからん。つかえる魔法の差だけなのかな。禍々しいやつを使役してるなあ俺。
タスは不機嫌そうだ。「それだけか」
「えっ」
「わたしは寝る」
「あ、うん。ごめん」
なんとなく謝ってしまった。タスは再び横になり、布をかぶる。……うーん。うーん。うーん。
ま、いっか。
ほーじくんは、貧血だった。そう表示されているのだ。なので、鉄分補給になるようなものを食べてもらおうと計画する。とりあえず、青菜だな。ほーじくん、葉ものが好きだって云ってたもん。
青菜と、できたらレバーとかキドニー。あとはなにがいいかな、と考えていると、ほーじくんが目を覚ました。お手洗い、と、外へ行く。後ろ姿が可愛い。
戻ってきたほーじくんに、お水をあげた。ほーじくんは咽を鳴らしてそれを飲む。俺は、柱の支えにひと役買っているベッドを示した。
「あっちで一緒に寝ない?」
「うん……うん?」
ほーじくんは寝ぼけなまこで俺を見た。その目がみるみる、しっかりしていく、「いっしょに?」
「一緒に」小首を傾げる。「だめ?」
ほーじくんは口をぱくぱくさせ、それから後退り、タスに足をとられてころんところがった。タスがまた、上体を起こす。「今度はなんだ」
「ぼ。ぼく、ここで寝る」
「えー、タスと?」
「うん」
「おい、なんの話をしている」
俺はぶーっとむくれる。ほーじくんをタスにとられた。やっぱり、羽がある同士、仲好しさんなのかな。なんか悔しい。俺も羽があったらな。せめて、飛行、持ってたらな。
ほーじくんがタスをぺしぺしやって、横にさせている。俺はぶんむくれたまま、ほーじくんの傍まで行った。「じゃあ俺はほーじくんの隣で寝る」
「えっ」
「はい、毛布」
収納空間から出した、うすでだけれどあたたかい毛布を渡した。かなりお高いやつだ。タスが顔に布をかぶり直しながらぶつぶつ云う。「痴話喧嘩にまきこむな」
「はい、ほーじくん、横になって」
まごついているほーじくんの腕をひっぱって、横にさせた。俺はほーじくんの隣に横たわり、毛布をかぶって、ほーじくんの腕にしがみつく。逃がさない。
沙漠の夜は寒いけれど、毛布は断熱性ばっちりだし、ほーじくんの腕はとってもあったかい。という訳で、俺はぐっすり眠った。休みたいって、ずっと願っていたもの。今くらいいいでしょ。




