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 それが危険な状態だとわかった。「ほーじくん」

 砂に足をとられながら歩く。ヤラは俺がほーじくんに近付いていったので、ほっとしたみたいだ。警戒音をたてるのを辞めて、じりじりとほーじくんから離れる。

「ヤラ?」声が震えている。「治療は?」

 ヤラは激しく頭を振った。背後から爆発音が聴こえてくる。「塊」が、どうやら咆吼している。

 俺はほーじくんの傍らに跪いた。ほーじくんはうつろな目を少しだけ開いて、胸を大きく上下させている。呼吸はしていない。ほーじくんの命が滑り落ちていく。消えてなくなっていく。

 なにも考えられない。

 マルジャンがとんできて、なにか喚いた。ひたすら、前肢一本で宙を掻いている。収納空間を開ける時の動作だ。

 俺はマルジャンに指図されるまま、収納空間を開いた。そして、傷薬をとりだそうとした。けれど、ない。傷薬は、いつの間にかつかいきってしまっていた。妹の怪我を治したあれが、最後だったのか。

 マルジャンもそれがわかったみたいだ。ぶるぶると震え、それから、前肢の先を口許へ持っていく。

「魔力薬……?」

 マルジャンが頷き、俺は機械的に、魔力薬をほーじくんの口へおしこもうとする。ほーじくんの体はひえていた。そうだ、さっきも、あんなに密着したのに、ほーじくんの体温はかすかだった。

 ころんと砂の上へ落ちた魔力薬を拾った。口へ含んで、上体を低くし、ほーじくんへ口付ける。舌をつかって魔力薬をほーじくんの口へおしこんだけれど、ほーじくんがそれをのみこむ気配はない。

 手が尽きた。


 背後で轟音がして、風が襲ってきた。「塊」が倒れたのだろう。エクシザもタスも、強い。

 俺は座りこんで、ほーじくんを見ている。砂に埋まりそうになっているほーじくんを。砂浴びが好きだって、云っていたっけ。

 風がゆるくなって、きらきらと、沢山の素が舞い始めた。それには魔もまざっている。魔は還元できない。滅却していない魔物を還元したら、素と魔はまざって空中に飛散する。

 そんなのどうでもいいのにどうして考えてるの。

「なにをしてる」

 右を見る。いつやってきたのか、タスが立っている。首を動かすのがつらくて、上を向けない。

 タスが砂に片膝をつく。襟を掴まれた。タスは俺の体を揺すぶる。「こいつを助けるのだろう。わたし達はその為に戦っていたのではないのか?」

「そうだけど」声が普通に、出た。「ヤラじゃあ、治療できないし、それに、お薬もなくて」

「頭がおかしくなったのか? 何故使()()()()()?!」


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
[良い点] ひぇ、おお!?やっぱりできるのね マルジャンかわいい
[良い点] ヤラとマルジャンの可愛い度が爆上がり中 [気になる点] 使役。その手があったかΣ(@ ̄ρ ̄@) [一言] ボチボチまたモンスター一覧を作ってくださると助かります。 コイツどんな姿だっけ………
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