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 とんできたやつは、偸利でたたきおとす。

 マルジャンが、俺が偸利をかけそこねた相手を弾きとばす。

 その作業が十分くらい続いただろうか。七個くらい居た(あった?)やつらは、ひとつを残して砂の上に倒れている。絶え間なく吹く風で、ふたつくらいはほとんどが砂に埋まっていた。

 黒いような紫のようなもやが、しゅわしゅわと周囲を漂っていた。魔だ。あれが出ているということは、宿主が相当弱っている、死にかけている、ということだ。偸利をかけようとしてもまったく効果がない。だからあいつらは死んだ。きっと。

 残りのひとつも、偸利で動かなくなった。マルジャンが跳ねていって、前肢でつついている。どうしようもない嫌悪感みたいなものがこみあげてきた。「マルジャン、あんまり触らないで。死んでるならもういいよ」

 マルジャンはしゅるしゅる、と鳴いて、戻ってきた。


 体の向きをかえる。「塊」は、まだ粘っていた。

 エクシザは甲高い声をたてながら、「塊」の一部を、執拗に鉤爪で攻撃している。その辺りが弱点らしい。「塊」がエクシザの攻撃の度、ちょっと動いて、その地点への攻撃をうけまいとしているのだ。そこを攻撃されるのがいやなのだろう。ほかの部分への攻撃もいやなら、魔法をつかうなりもっと大きく移動するなりすればいい。ってことは、あの部分以外は装甲がかたいのか。

 他方、タスは槍での攻撃を捨て、還元にきりかえていた。「塊」の(あしがあるとするならばの)足許で低空飛行し、「塊」を還元しているのだ。それも、地味だけれどいやな攻撃みたいで、「塊」は魔法でタスを追い払おうとしている。

 俺は息を整え、まずい丸薬をもうふた粒()んだ。タスとエクシザに魔力を送る。状態異常をとる作業が必要なくなったので、体は少し楽だった。

 エクシザがくちばしで「塊」をつついた。「塊」から、地鳴りみたいな音が出る。声……なのかな。いや生きものだとは思うけど。

 タスが槍を、「塊」につきさす。そのまま移動した。深く刺さった槍が一緒に移動し、「塊」がその分傷付く。

 「塊」が動いた。エクシザがそれをつつく。タスが切り落とした部分を還元している。

 しゅっという音で我に返った。

 あの音は警戒音だ。チャタラの。

 俺はゆっくりと、ヤラを振り返る。顎によだれがつたっているのに気付いて、血まみれの袖で拭った。頭がぐちゃぐちゃになっている。気分が悪い。ジーナちゃんの気持ちがちょっとわかるな。ミューにこんな格好で会いたくない、って、あれ。

 ほーじくんの傍でヤラは前肢をばたつかせていた。ほーじくんは胸を大きく上下させている。


誤字報告ありがとうございます。助かります。

感想ありがとうございます。はげみになります。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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