表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3680/6868

3540


 レットゥーフェルがそう云った瞬間、どこかでなにかがつながったような感覚があった。猫の爪採りのニーバグの時みたいに、勝手に使役が成立してしまったのだ。あの時は初めてでよくわからなかったが、チャタラふたりにホートリットひとりを使役している今、なんとなく感覚がわかる。

 レットゥーフェルの隣に座った。使役状態なので、安全だ。偸利と違い、悪しき魂だからききが悪いということもない。

 エクシザが、ぶーっと、空気を吐き出した。そちらを見ると、エクシザの足許には、レットゥーフェルの装備品が散らばっている。食べ尽くしたらしい。

 俺は苦笑いで謝った。

「ごめん、エクシザ。でも、人間みたいに会話できる魔物は、貴重だから」

 エクシザは俺を睨んでいたが、不満げながらも目を逸らした。かと思ったら、のっそり立ち上がり、どてどてと歩いてくる。

 俺はヤラを呼んで、レットゥーフェルの治療にあたってもらった。ヤラはいやそうにしつつも、水花や燕息をつかっている。レットゥーフェルの体がぼんやり光る。

「ええと、名前は?」

「コーフアータッシェーピーイィーハイー」

 ながい。し、呼びづらそう。

 俺の考えがわかったらしい。「タスでいい」

「ああ、ありがとう」

 ほっとした。あと、めっちゃ短縮するじゃん、と思った。

 エクシザが俺の隣に座りこんだ。ぐっぐっと咽を鳴らし、なにか不満を訴えているらしい。めちゃめちゃ睨まれてる。

 なんなのかわからなかったが、タスが通訳してくれた。「そのホートリットは、腹が減っている」

「あ、そっか」

 タスを食べるつもりだったんだもんな。

 俺は収納空間から生肉を、エクシザの足許へ落とした。エクシザは満足そうにして、それをついばみはじめる。類は友を呼ぶ、というのが脳裏をよぎったが、気付かないことにした。


「ひとつ、よいだろうか、魔王」

「あ、俺、國立真緒。マオでいいよ。宜しくタス」

 タスが体を起こして、軽く頷いた。

 ヤラが飛び退く。おそれている様子だ。また、悪いことをしてしまったかな。

 俺は四人に、魔力を譲渡し、状態異常を奪った。ぐらっと眩暈がある。ぎゅっと片目を瞑る。

「で、なにか要望?」

「ああ。兄弟達を弔いたい」

「ああ……」

 タスはちょっと俯く。「それから、つかえる槍をさがしたい。槍がなくては戦えない」

「ああ、うん、あの。お弔いは、還元……ってことだよね」

「そうだ」

 使役の効果なのか、タスの言葉はさっきよりも聴きとりやすかった。そういうの、あるのかなあ。

「いいけど、人間を見付けたら、危害を加えないで、逃げてね」

「ああ。お前の指示に従う」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ