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 それとも動揺で、俺の魔法そのものが、効力が弱くなっているのだろうか。もしくは、がらす越しだと弱まる? がらすが絶縁体みたいになって。

 そうだとしたら迷惑だな。レットゥーフェルがもうしばらく頑張ればがらすは破れるだろうから、俺ももっと魔法をつかえるようになるってことかもしれんが、かわりにロビーに雨風がばんばん吹き込むぜ。水浸しになってしまう。窓を内側から塞いでも、すきまから吹き込むだろう。

 とはいえ、つかえる魔法は限られてる。四散や崩潰は、間違ってがらすを攻撃・破壊する可能性があるし、穢土と昏冥は絶対にききが悪いし……。

「禍殃」

 槍を振り上げていたレットゥーフェルが、がらすを叩くことなく槍を下ろした。高度が下がる。このまま落ちてくれたら、と思ったが、数秒経つともとの高さまで戻り、再び槍でがらすを叩く。禍殃はきかないか、きいたとしても効果時間が短すぎる。「愁夢」

 これははっきりしていた。こいつには愁夢はきかない。

 レットゥーフェル全体にきかないかどうかはわからないが、少なくともこの個体は、愁夢で意識を失った様子はなかった。動きにひとつもよどみがない。鈍らない。効果が遅れてあらわれるということもないだろう。サキくんは一瞬で眠らされていたし、きいていないと考えるのが妥当だ。

 俺は舌打ちする。あとは、なんだっけ?

「叫喚」

 案の定だ。きかない。ひるまない。動きが一切かわらない。

 ってことはやっぱり、偸利で地道にけずるしかないんだな。禍殃は一瞬きいてたっぽいから、併用するか。

 レットゥーフェルは咆吼しているみたいだ。がらすに阻まれているのと、こちら側で響いている悲鳴が凄いのとであまり聴こえないが、かすかにわかる。

「禍殃。偸利」

 禍殃の効果が切れないうちに偸利をつかった。


 レットゥーフェルが身をよじる。苦しんでいるみたいだ。

 みたい、じゃなく、多分苦しい。俺は魔力が大幅に恢復(かいふく)した感覚があって、楽になったから、その分あいつは苦しんでいる。

 魔力がなくなっても、人間でも魔物でも死ぬらしい。体力が低い相手からは体力を奪い、魔力が低い相手からは魔力を奪うのが効率的だということだろう。

 偸利にそんなつかいわけできたかな。ああ、火をつける程度の簡単な魔法を、大きな火の玉にまで強化してる焦熱士さんが居たし、不可能ではないのかも。偸利の、体力を奪う部分を強化するとか、魔力を奪う部分を強化するとか、そういう方法で。

 じゃあこいつでためしてみるかな。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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