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 マルジャンはしゅうっと鳴いて、数回頷く。助かったと思っているみたいで、表情にこわばりはなく、声もリラックスした様子だ。

 俺も頷いた。

「もしまた、エクシザが無茶なこと云ってきたら、魔力がなくなるぞって脅していいからね。いいつけるぞって。それに、エクシザがマルジャンやヤラを傷付けたら、使役してるからすぐにわかるんだよって云っておいて。そういうことしたら酷いからねって」

 マルジャンは感激したのか、しゅしゅしゅしゅしゅる、と鳴いている。今までに聴いたことのない声だ。それだけ、エクシザがこわかったらしい。これは、考えなしに使役を選んだ俺の責任だな。偸利からの崩壊で、死体まるごと消すって手もあったけど、あの場ではそれは無理だった。支配人も女の子達もしっかり見てたから、とにかく一旦逃がすっていうのが先に立ったんだ。だから、エクシザがちょっとおとなしくなったら、使役を選んだ。

 一旦逃がしてから殺す、ってのもありだったんだろうけれど、封印情況について教えてもらったり、いろいろと話を聴いた今、憎たらしい部分はあるものの情がわいていて、もう殺すのは無理だ。ほんとに、エゴだけど。


 しかし、どうせ使役するのなら、気のあうやつがよかったな。あいつ、扱いづらいんだよな。

 マルジャンとヤラは話し合いに快く応じてくれるし、会話は穏やかだし、人間に対して攻撃的でも威圧的でもないし、ヤラは恢復(かいふく)魔法もつかえる。見た目が可愛くないことを除けば、仲間として頼もしいし、ありがたい。その見た目も、見慣れるとそこまで変でもない。いや可愛げはないんだけど。

 でもエクシザは、態度がよくない。ホートリットって、群れをつくるものじゃないみたいだから、協調性もあんまりないんだろう。

 子育てってどうするのかなあ。孵化させたらほっとく、とか、ありそう。だってホートリットって超絶強いらしいし、魔法がつかえたら雛のうちでも狩りくらい楽々こなせそうだ。そういう、独立独歩でやってきたっていう自負があるのか、エクシザのやつ変にプライド高くて扱いにくいんだよ。魔物って、強さで序列が決まるものなのかもしれない。だったらエクシザに対して強い俺の云うことを、素直にきいてくれたらいいのに、なんかいちいち抵抗してくるし……。

 エクシザの扱いをこれからどうするか、考え込む俺の脇を通って、妹がマルジャンの傍に座った。興味津々、の顔で、マルジャンを見詰めている。「お兄ちゃん、この子撫でてもいい?」


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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