表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3626/6869

3486


 しばらく相談みたいなやりとりをしてから、ふたり同時にこちらを向いた。「その時も、真緒さんが、その動物を追い払っていますよね」

 ああ、そういうことか。

 不審がられているっぽい理由は、わかったかもしれない。確かに怪しいかもな。俺は公的に、二回、謎の生物に遭遇し、二回とも率先して行動し、追い払っている。不審がられるのは仕方ない。

 チャタラの時はともかく、今回はあれだけの大きないきものである。写真が撮られたのだから、かなり正確なサイズを警察では割り出しているだろう。

 それを、特に運動神経がいい訳でもない、体を鍛えている感じでもない、ぼやーっとぬぼーっとした、単なるオーナーの親戚、という若いにーちゃんが追い払ったのである。違和感しかない。

 その点、あっちの世界だとそうでもないんだよな。特殊能力や職業加護で、見た目華奢でも超絶力持ちだったり、ちびっこくても大きな魔法をばんばんつかえたり、魔物に対して確定で効くスキルを持っていたりするから。不名誉職のなかには、魔物を高確率で追い払うことができる職業加護のものもあるらしいから、こういう情況ならそういった職業加護持ちだと誤解してくれるだろう。


 こちらの世界ではそういう訳にはいかない。最初の一度だけ、博物館での件だけなら、妹をまもろうとしての必死の行動だったといういいぬけかたがある。チャタラの外見も蹴り心地も、必死だったからあんまり覚えてない、が通じたし。

 でも今回は、自ら危険へと、額面通りに走ってつっこんでいったのだ。幾ら俺がオーナーの親戚で、この旅館で事故が起こったらいやだと考えていた、としても、そもそもホートリットを見付けた時にはロビーに居たのだから、その場の従業員に報せたらいいのにという話になってしまう。

 それは、あの時はできなかった。ていうか、しようとも思っていない。

 それこそ散弾銃でもあるなら別だが、あるのかないのか知らないからな。従業員は、そういう手段があろうとなかろうと、お客さまに危険が迫っていたらきっと助けに行ってしまう。そんな危険を冒させる訳には、いかなかった。

 徒手空拳の人間が何人よりあつまろうと、ホートリットにはかなわない。散弾銃どころか、この旅館には武器らしい武器はないだろう。厨房になら、切れ味のいい包丁くらいは置いてあるだろうが。

 なら、魔法をつかえて、職業加護のおかげで魔物に対しては与ダメージが大きくなる俺が、ひとりで向かうべきだ。本当にどうしようもないような情況なら、マルジャン達にも協力してもらえるし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ