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おにいさん達は、けれど、どうも俺や妹の言動をおかしいと思っているみたいだった。
なんだか、疑われているような、痛くもない腹をさぐられているような感じだ。
いやまあ、うーん。痛いと云えば痛いのか。でも、エクシザがここに来たのは、断じて俺の所為じゃない。それに何歩譲っても、あいつが暴れたのは絶対に俺の責任ではない。
というか、俺はあいつが暴れたのを制圧した側だ。どうして、なんだが不審そうに、重箱の隅をつつくような質問を繰り返されるのか、わからない。「ええっと、最初にこっちへ行ったんでしたね」
「はい」
こっちははよ寝たいのである。三十分に一回くらいのペースでみんなから状態異常を奪っているから、ちょっと疲れがあるのだ。肉体的な疲れではなく、精神的なものだけれど。
別に、しなくてもいいことではある。でも、エクシザの状態異常を奪った時、相当酷いレベルにまでなっていた。それはもういやなのだ。マルジャン達も可哀相だし、俺だってあのレベルの状態異常を即座には無効化できない。どんな状態異常でも、一瞬はくらってしまうのだ。そのあとすぐに治る、後遺症はない、としても、あの頭痛と腹痛は、もう勘弁してもらいたい。
だから、状態異常が強度の高いものにならないように、軽微なものであるうちに頻繁にとりのぞいておく。それしかない。それなら、本当に少しの吐き気と眩暈ですむ。
使役している魔物の数も増えたし、面倒で一気に状態異常を奪うから、奪う頻度を上げた。三頭それぞれが、例えば状態異常のレベルが5だとしたら、一気にそれをもらうと俺は15に感じる……のだと思う。チャタラ達だけだった時と比べて、エクシザを加えた三頭だと、チャタラ二頭の時とは状態異常の感じが違うから。
状態異常無効が働かない訳ではないし、程度が低いから体はそうつらくもない。とはいえ、精神的に疲れる。かまどの前で、幾つものお鍋を監視しているような気分になってくるのだ。こっちのお鍋は焦げついていないか、こっちのお鍋の中身はもう煮えたかしら、こっちのお鍋は香りがよくなってきたけれど音がだめだ、みたいに、ひっきりなしに確認をしていないといけない、そういう感覚なのだ。
なので、はやく横になりたい。なごうなる!
俺の面倒だなあという気持ちはまったくわからないみたいで、ふたり組はこそこそ相談している。あっちの世界だったらこいつらできてるんだなと思うところである。疲れと、ホートリットが見付かりやしないかという不安とで、思考がすさんできている。




