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そんなようなことをもごもごと云う。それから息を吐く。
「だからさ、別に、封印された魔物じゃなくて……」
言葉が続かない。
これだけ、ぐだぐだと考えているのは、封印だと思いたくないからだ。
封印をつかえる祇畏士は少ない。恩寵魔法だけしかつかえない祇畏士が、もしかしたらつかえるかもしれない、という程度のものだ。祇畏士だったらつかえるというものではない。
もし、これだけの数が封印によるものなら、ほーじくんが関わっているのはまず間違いない。
ほーじくんがこれだけの数を自主的に封印するとは考えがたい。だってほーじくんは滅却をつかえる。恩寵魔法も沢山つかえる。だから戦える。ほーじくんが弱い、という話は聴いたことがない。やる気がない、とは聴いたことがあるけどそれってやる気があれば強い、実力は高いって意味だろう。
ならほーじくんは、封印よりも滅却を優先すると思う。だって封印は、封印された者を弱らせるだけだ。いつかは解ける。そしていつ解けるのかはおそらく祇畏士本人にはわからない。封印されている俺にはわかるけれどな。
それって、危険すぎないか?
もしかしたら封印しても、すぐに解けるかもしれない。それなら、本当にやばいやつにだけ封印をつかうべきだ。コマちゃんの使役みたいに、封印できる数が決まっているかもしれないのだから。
よくわからない魔法、もしくは特殊能力である以上、つかうのだって細心の注意を払う。封印をつかえる祇畏士よりもずっと数の多い、そして有史以来いろんな場面で頼られてきた裁定者だって、質問を選ぶ時には相当気を張っていた。それはそうだろう。へたな質問をしたら死ぬかもしれないのだ。
それは封印だって、そんなにかわらない。いざ、強大な魔につかれた者を発見して、倒せないような場合に、封印できませんでした、ではすまないのだ。死んでしまう。
ほーじくんはのんびりしているけれど、愚かじゃない。滅却できるのなら滅却したほうが絶対に安全だってことはわかっている。
だったら、もし沢山見付かっているUMAがほーじくんが封印した魔物なら、それはほーじくんの意思でやった封印じゃない。
ほーじくんの先生達、ディファーズの祇畏士協会、もしかしたら神聖公。
そういうひと達が、ほーじくんに封印をさせているのかもしれない。
そう考えると、腹がたつ。歯ぎしりしたくなる。今この瞬間あちらに居ないこと無性に悔しい。
ほーじくんを危険にさらすなんて許せない。




