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 なんだか頭痛がしてきた。消化不良起こしそう。

 お握りを大半消費してから、妹と一緒にお部屋へ行って、歯を磨いて寝た。それが一番いいことのような気がしたから。


 妹はまた、遅くまで起きていたらしい。八月八日早朝、妹は居間のローテーブルに突っ伏して寝ている。タオルケットを肩にかぶせた。

 ケータイをとりだし、連絡がないか確認する。特にない。バッテリーがあがりそうなので、充電する。

 身繕いして、ある程度充電できたケータイを収納し、ロビーまで行った。今朝も、かなりはやい時間なのに、ロビーに居るひと達は多い。お客さんも従業員もだ。お客さん達が不安そうに集まってきているので、従業員達はそれに対応する為に居るのだろう。従業員もかなり不安げになっているのが気になる。

 フロントへ近付いた。「おはようございます」

「おはようございます、真緒さま」

「崖崩れ、どうなりました?」

 フロントの女性は首をすくめるみたいにした。

「まだ実況見分中だそうです。少なくとも今日いっぱいは。ですが、オーナーが裏道の整備を手配しています」

「ああ……」

 そっかあ、表のみちは、もう頼れそうにない。なら、危険だという裏道を整備して、なんとか通れるようにしたほうがはやい。おじさんはそう判断したのだろう。

 俺はフロントの女性にお礼を云ってから、はなれた。ソファへと、ぶらぶら歩いていく。二十歳を幾らか過ぎたくらいの、若い男女が、手を握り合って座っていた。

 食べものの心配はないし、寝るところもあるし、寒さ暑さには対応できる。お金の心配もない。それでも、まだ丸一日と少しの拘禁だけれど、自由に出て行けないというのは、つらいものがあるのだろう。どれだけ快適な情況であっても、本来の予定を崩されているひとだって居るのだし。

 ソファに座る。窓をちらっと見る。ここは高いところにあるし、御山(おんやま)みたいだ。勿論、御山(おんやま)みたいなむちゃくちゃな標高ではないけれど、ここで快適に過ごせるのも御山(おんやま)に近い。

 こうやってとじこめられ、行動を制限されているのも、御山(おんやま)では何回か体験したことだな。還元過多による魔物の襲撃に、謹慎、体調不良で入院棟へたたきこまれ、それにトゥスミア先生の事件……。

 あれって、結局、トゥスミア先生はどうして亡くなったんだろう。事件なのか、覚悟の自殺なのか、それとも単に事故なのか。迂闊なひとではないと、みんなは口を揃えていたけれど、俺はトゥスミア先生を直には知らない。

 渓谷の上を、鷹が二羽、飛んでいる。つがいだろうか。


感想ありがとうございます。梅を漬ける季節はもうすぐそこ(遠い目)

誤字報告ありがとうございます。助かります。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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