表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3579/6869

3439


 鑑定士さんがせなかを叩いてくれて、妹はぱっと手巾をとりだし、俺の口許へあてた。俺は激しく咳込む。かつおぶしが気管に!

 しばらく咳をすると落ち着いた。鑑定士さんと妹にお礼を云う。

「ありがとう……ありがとうございます。すみません」

「お兄ちゃん、驚きすぎ」

 妹があきれ顔になっている。いやいやいやいや驚くわそんなもん。だからタペストリーは高くても貝貨で十数枚なの。大体さっきオークションのサイトに表示されてたタペストリーは、マイファレット嬢のお母さんが働いてる布地工場で、叩き売られてたやつ。タペストリーのなかでも安い部類。この辺はお手頃価格だぞってすすめられた覚えがあるもん。

 ていうか妹よ、ドルならドルと云ってくれ。兄ちゃん死ぬとこだったぞ。

 苦手なのだが、従業員が不安顔で持ってきてくれたので、煎茶をあおる。うう苦い。苦いし咽が痛くなる気がして苦手なんだ。

 でも、それで咽はすっきりした。大きく息を吐く。妹はケータイを操作し、画面を見せてくる。

「じゅうたんは、安ものと高価なのが混在してたって。高価なのはオークションに出してるって。ほら」

 またむせるかと思った。じゅうたんにも目の玉が飛び出そうな値段がついている。10万ドル? これって貝貨2枚で買ったやつだぜ。


 じゅうたんとかタペストリーは、国内よりも海外の需要が高い、らしい。その辺はおじさんが、じゅうたんやタペストリーを査定してくれた(し、ついでに見込みがありそうなものはオークションに出して、売り上げの何%かをもらう予定の)会社のひとから聴いたことで、妹の言葉はだからまたぎきだ。

 でもまあ、そういうのの会社のひとが云うのだから、そうなんだろう。しらん。

 で、その需要を見込んで、海外のひと達がアクセスするであろうオークションサイトに出品した。もっといいものは、もっとお金持ちが集まるオークションへ、直に持っていくらしい。

「こういうとこが切れてないし、長さも揃ってるし、状態もいいし、ウールも凄くいいやつなんやって」

「にゃあ……」

 なんともいいがたいので変な声が出てしまった。違うの、違うんです、方言なんです、にーとかにゃんとか云っちゃうんです。

 なので妹も俺の言葉はスルーした。

「安ものでも、一枚10万円くらいはするらしいわ。そっちは別で販売するち」

 はー。あれかな。多分だけど、安いのはロアウール。高いのはディファーズウール。うわあ、そんなに差があるんだ。信じがたい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ