3421
二頭に食事させながら、俺もお菓子を食べて魔力を補給した。二頭に魔力を融通したので、魔力が不足している感じがしたのだ。
伸びをし、欠伸をする。今日は歩いたし、自転車にものったし、ちょっと疲れたかもしれない。でも、宝石のことの目途は立った。じゅうたんとタペストリーも、なんとかなりそうだ。
たたみに寝転がる。マルジャンがしゅっと鳴いた。俺は二回、深呼吸する。「ふたりとも俺とは喋れないから、決めといたほうがいいかな、サイン」
サイン、が通じなかったのか、二頭はきょとんとした。
敵が来たり、危ない感じがしたら、どんな声を出すか、訊いた。しゅっ、と、かなり鋭い音を、二頭はたてる。自転車のタイアに空気をぱんぱんにいれて、空気いれを外した時みたいな音だ。
その音をたてたら、警告。危険信号、かな。とりあえず、危ない。
反対に、安全だよ、心配ないよ、という時は、しゅるしゅるしゅう、と鳴くらしい。たまにマルジャンがたてる音に似ているが、違うそうだ。俺とチャタラでは、耳の構造が違うようで、その差をききとれない。何回聴いてもほとんど同じだが、チャタラ達には重大な違いがあるらしい。
何度ためしても差ははっきりわからなかったが、その音は安全のサインだと、決めてしまった。
なんとなくでいいのだ。どうあがいても、なんとなく通じるくらいしか無理だもの。二頭は人間のようには喋れない。それにこれ以上の無理を云うつもりはない。だって二頭とも、俺の言葉をある程度は理解してくれている。ならこちらも、多少でも二頭の意思をくみとろうとすべきだ。
空腹の時や、怪我をしたというサインも決めた。マルジャン達がおなかをすかせていたら俺は食事を用意しようと努力し、怪我をしたら治療しようと努力する。マルジャン達は、俺に危険がないか周囲に気を配り、場合によっては偵察をしたり、戦ったりしてくれる。そういう雇用契約らしき話もした。
二頭は食事を終えて、俺に頭を下げ、姿を消した。
マルジャン達がつかったお皿を収納し、俺はたたみでごろごろする。眠たい。必要なもの、のことを、考える。干しあわびも買おう。乾物屋さんで扱ってなかったのが残念だ。あと、するめもほしいな。お料理につかえる。ガスこんろがほしいところだけれど、だめだよな。
キャンプ用品はどうだろう。あれをなんていうのか……ええと、バーベキューグリルかな。なんだろうな。バーベキューする時につかうあれ。下で炭が燃えてて、鉄板が上にあって、材料をのせて蓋をかぶせたら火が通るやつ。
感想ありがとうございます。はげみになります。
いいね機能解放……びびりでできない……。




