表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3560/6875

3420


 命を救ってもらったから、それに報いる。そういうことみたいだ。単に、俺がそもそもこちらの世界の人間だから、こちらの世界の環境が毒ではないってだけなんだけど……あ、それに状態異常無効もあるしね。

 俺の手柄、というか、俺の努力で二頭の信頼を勝ち得た、ということではないが、二頭に使役状態を続けてほしいという意思があるのはわかった。

「あのさ、ほんとにこきつかうよ」

 頷きが返ってくる。俺はくいっと肩をすくめる。「じゃあ、それでいいんだね。ほんとに、使役したままで居るからね」

 念を押した。マルジャンもヤラも頷いて、満足そうにしながら目を合わせている。心苦しい部分があるのだが、二頭がそうしたいのなら、それでいいか。


 二頭の体を洗った。こちらの世界の虫や、菌、ウイルスなどにたかられているかもしれないし、それが二頭にとって重大な健康被害をもたらすものかもしれない。だからとりあえず、表面だけでも綺麗にしてあげたい。

 せっけんで泡だらけにして、豚毛のブラシでこすった。状態異常をもらい、魔力を分け、ヤラの魔法でマルジャンを治療する。ヤラ自身の治療もさせた。怪我をしているような様子だった訳ではないが、念の為だ。用心してしすぎることはないし、万全な状態であろうと努力するのはありだろう。まあ、ふたりにとってはこっちの環境が毒みたいだから、万全になることはありえないけれど、だとしても。

 しっかりゆすいで、タオルで拭いた。顔が可愛くないのは相変わらずだ。本当の猿ならもっと可愛いのに、なんていうかなあ。猿とくもの、悪いとこだけ集めたみたいな顔してる。

 二頭の体を乾かし、居間へ移らせた。妹は居ないし、窓はきっちり、雨戸まで閉めている。出入り口にも錠をかけていた。だから心配ない。

 二頭は小動物(おもに、ねずみとか、その辺の虫とか)を食べてしのいでいるようで、おなかがすいているらしい。なので、あちら産のお肉を食べさせた。「あ、お肉、大丈夫だよね?」

 頷かれた。

「お肉、好き?」

 頭を振っている。そう、好物という訳でもないらしい。

 ちょっと頑張って訊いてみると、雑食性だということがわかった。なかでも、でんぷん質のものが好きらしい。だから、お芋とか、穀物とか。

 その辺は猿に近いのな、と思いながら、お肉の横にお芋を並べた。二頭は喜んでいるらしく、体がひょこひょこ上下する。

 二頭はおいしそうに、お肉とお芋を食べた。黒砂糖も与えておく。あちらへ戻ったら、この子達に相当頼ることになりそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ