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何事もなく電車にのり、そこそこ大きなまちでおりた。ケータイで地図を見ると、近くに質屋さんがあって、そこへ這入る。手続きとか、書類書いたりとかはあったが、ルビーのブレスレットで、百数十万円手にはいった。交易で儲けてるみたいな気分になってくる。
それくらいのものを売りに来るひとはめずらしくないようで、騒がれることもない。鑑定してくれた、手袋をはめたお兄さんが、いいお品ですねえ、と溜め息まじりに評してくれたくらいだ。俺は半笑いで流した。
お札は収納してしまって、今度は乾物屋さんを目指した。ケータイの地図アプリ便利すぎん? こんなのもう魔法と云っても差し支えないぜ。
駅の裏手に、いかにも老舗という感じの、古い建物の乾物屋さんがあった。這入ると、木枠に透明なプラスチックのショーケースがあって、なかにたっぷり、干ししいたけが詰まっている。割れたり欠けたりしたものが安く、かさの厚い形のいいものは高い。宝石と一緒。
味は大差ないので、安いものを袋に詰めてもらった。ここは干ししいたけ専門のお店だそうで、かつおぶしと昆布のお店がないか、女将さんに訊いてみる。名前と住所をメモして渡してくれた。お礼を云ってお店を出る。
地図アプリで確認しながら、かつおぶしのお店に行く。途中、物陰で、干ししいたけの詰まった袋を収納した。駅前と違い、スナックや呑み屋さんが多く、まだ日が高いのでひとどおりは少ない。誰にも見られずに収納できたと思う。
仮に見られていたとしても、気の所為、もしくは見間違いだと考えるひとがほとんどだろう。物理的にありえない。だから、気にしなくていい。映像をとられたとしたって、フェイク扱いされてお仕舞だ。
かつおぶし屋さんと、昆布屋さんは、隣接していた。どちらもにぎわっている。
昆布屋さんは水出し用の細く切った昆布を、可愛いパッケージで売っていて、女性客が大勢居る。昆布をつかったお菓子も売っていた。かりかりしていて甘辛いみたいだが、製法がわからない。あげてからたれを絡めてるのかな。
かつおぶし屋さんは、出入り口がふたつあって、片方はお味噌汁のイートインだった。かつおぶしの飲み比べができるのだ。小さな紙コップで好きなかつおぶしと好きなお味噌の組み合わせを試して、かつおぶしを買えるのである。
俺は昆布もかつおぶしも買いこみ、そして、かつおぶし屋さんでかんなも手にいれた! これで、ひとにかつおぶしを削ってもらわなくてすむ。なんて素晴らしい道具だろう。
かつおぶし屋さんでききこみをして、今度はお味噌屋さんへ向かった。




