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 あんまりつかわれていない雰囲気のお部屋だ。畳は新品同様だし、クロスも綺麗。

 宴会場の前で支配人さんがちょっと教えてくれたところによると、ここで結婚披露宴なんかがされてきたそうだ。近くにそれなりに古い神社があって、そこで式を挙げて、ここで披露宴をする、というコースらしい。

 今はテーブルもなにもない。だだっぴろい畳敷きの空間である。

 俺は小さくよしと云って、自分に気合いをいれ、収納空間の口を開いた。


 幾ら宴会場がひろいと云っても、重ねておかないと床面積が足りない。

 俺は収納空間からとりだしたじゅうたんを畳の上へひろげ、その上へちょっと小さめのじゅうたんをひろげ、三・四枚重ねてから次のスペースへ移動していた。お気にいりでよくつかっていたやつは、泥や土で汚れているので、出さない。

 三十分くらいで、床が半分埋まった。「こんなに買ったっけ?」

 腰を伸ばし、息を整え、額の汗を拭う。いやまじで、こんなに買ったっけ? 目についた時に可愛いとか安いとかで買ってはいたけど、この枚数とは思ってなかった。だって、これだけ買っても、お気にいりの数枚をローテーションしてただけだし。

 こういうとこだな、俺のだめなのは。ほんともう、無計画にいろいろ買うから、薬材採取行かなきゃまずい! みたいな状態によく陥っていたんだ。自分で自分の首をしめてる。ちゃんと持ちものは把握しとこうぜ。

 自分のずさんな部分に嫌気がさしたが、その後も淡々と作業をこなした。タペストリーも、お気にいりでよくテーブルクロスやランチョンマットがわりにしていた数枚は、そのまま収納しておく。

 タペストリーとじゅうたんってどう違うんだろう、と思ったが、タペストリーのほうが柄が細かかった。なんだろうな。画素数が違う感じ。あとは、じゅうたんはパターンというか、ディフォルメした模様みたいなものも多い。材質も違う感じ。

 ロアウールとディファーズウールは、そんなに違う? と思っていたけれど、並べて比べると全然違った。表面の光沢が、ディファーズウールのほうが滑らかな気がする。安っぽくない。

 手触りも段違いで、ディファーズウールは蕩けるみたいに指に吸い付く感じがする。これは結構な値段でなんとかなりそう?

 作業を終え、廊下へ出る。支配人から預かった鍵で錠をかけ、昨日の会議室へ向かった。

 今日も宝石の鑑定は続くし、俺はまだ収納空間に沢山の宝石を持っている。それを追加分として会議室へ置いてくるのだ。おじさんによれば、鑑定士さんは、今日はもっと沢山応援を呼ぶそうだし、多少宝石が増えても問題あるまい。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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