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 でもそれなら、フォルクくんのことにすぐに思いあたるだろう。正当な理由があれば、跡目を放棄できることだって知っている筈。

 もしかしたら、俺があちらに戻ったら、サキくんとリッターくんが付き合ってたりして。

 そうならいいな。そうだったら、なんていうか、気が楽になる。

「それにさ」

「うん?」

「お兄ちゃんの話聴いてると、リッターくんって、自分でも自分の気持ちがよくわかってない感じよな」

 あー。そんなこと、云っていたっけ。好きなのかなんなのか、よくわからない、みたいな。あの時、誰を好きかもしれないのか訊いたけれど、リッターくんは教えてくれなかった。あれ多分、はずかしがってたのかな。

「よくわからんから、お握りわけたり、お菓子譲ったり、そういうことしかできんのやろ。可愛いけど」

「うん。かわいいよな。うまくいってるといいけど」

「うん……あれ」

 妹が指さすほうを見ると、ラーメン屋さんがあった。時間帯がよかったのだろう、行列はない。俺達はラーメン屋さんに這入って、お目当てのものを注文し、食べた。


 帰りの電車で、妹は眠ってしまった。ずいぶん疲れているのだろう。俺に凭れかかって、浅い呼吸だ。

 俺は窓から外を見て、ぼーっとしていた。頭のなかではいろいろなことがうずまいている。リッターくんがサキくんを好きかもしれない、ということもだし、サキくんは大丈夫だろうか、傷付きやすい子だから心配だなあ、とか、ミューくんは職業加護のことがばれたりしていないかな大丈夫かなジーナちゃんはどうしてるかな、とか、ユラちゃんの論文できたのかなリオちゃんやマイファレット嬢とまたお勉強しているのかな、とか、そういうことだ。

 そういうこと。

 ほーじくんは、元気だろうかとか、そういうこと。

 マルジャンとヤラの状態異常をもらうと気分が悪くなった。別に、ほーじくんのことを考えていたからじゃない。心配する必要なんてある?

 あの子は正しい。

 それなのになんだか胸の底のほうがざわざわして、落ち着けない。不安がある。なんだか悪いことが起こっているみたいな、変な感じがする。ほーじくん達が危ない目に遭っている訳ない、みんなで仲好くしてるに違いない、みんなしあわせに、安全に……。

 がたんと音を立てて電車が停まり、しゅーっとドアが開いた。俺は妹の肩を軽く叩く。「ついたよ」

 呻き声が返ってきた。

 俺は妹を見る。妹は半分閉じたまぶたを震わせ、頬を赤くして、ぜえぜえと呼吸していた。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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