表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3486/6870

3346


 俺は息を吐き、吸う。「善なる魂を持った祇畏士には、そういうものを関知するひとも居る。それがどういう感覚なんかはよくわからんけど、とにかくなんとなくわかる」

「シイシっていうのは、さっき云ってた、お兄ちゃんが魔法をつかったら来てたっていうひと達やな? 理屈とか原理はわからんけど、ともかく関知されることがあるっちことやろ?」

「ああ」

 妹は俺のわかりにくい話をきちんと理解しているようだ。聡明な妹でよかった。聡明すぎて、生きるのがつらいのかもしれないけれど。

「それで、祇畏士のなかには、そういう悪いものを封印できる力を持ったひとが、たまに居る」

「……封印」

「悪しき者、魔につかれた者を、文字通り封印する」

 妹の眉がゆっくり寄っていった。俺ははっきりとした発音を心がけて云う。

「そういう魔法。もしくは、特殊能力。はっきりしたことはわからない。秘匿されてるから。ただその封印は、戦っても倒せないような、強い魔物や、戦ったら被害が大きすぎると判断した場合なんかに、苦肉の策でつかうらしい。封印しておけば魔物は弱まるから、封印が解けても以前よりは戦うのが楽になる。それに、封印が解ける前に祇畏士が死んでしまったら、封印が完全に解けなくなることもある。やから、あっちのひと達にとっては最後の手段みたいなんや」

 ああそうか、と、喋っていて気付いた。


 そうだ。封印は、祇畏士が死んでしまえば完全になる、それがあちらの世界での常識だ。その認識が半分間違っていると、ユラちゃんが突き止めたけれど、彼女の論文はまだ完成していなかった。だから、一般どころか研究者でさえ知らないかもしれない。そもそも魔に関する研究なんてしているひとが少ない。

 そして、封印そのものの研究も、しているひとは少ない。

 あまりにも強く、そして神さまの存在を強く感じさせる魔法だからだ。神さまの領域のことを嗅ぎまわるなんて、ユラちゃんくらい勇気がないと、簡単にできることではない。

 そんななかで、俺が封印されたら、誰かがほーじくんを殺そうとするかもしれない。ほーじくんを殺すことで、封印を完全なものにしようとして。

 それは、ユラちゃんに読ませてもらった、封印や魔に関する資料で、実際に書かれていたことだ。祇畏士が強大な魔物を封印し、その後殺され、その結果封印が解けて大きな被害が出た。その所為で、殺された祇畏士はまともなお葬式もしてもらえなかった……。

 ミューくん達六人はきっと、ほーじくんの命をまもる為に、俺が封印されたことを隠してくれているんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ