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偸利は草むしりでもつかっていたから、勝手はわかっている。崩壊の次に沢山つかってたからな。
学生さん達を見てて実感したけど、魔法って、慣れも大きい。大きな魔法を暴発させる事故は、レントでも御山でもたまに起こっていたが、要するにあんまりつかったことがないから感覚がつかめていないのだ。どれだけ力が強くても、加減ができなかったらいいピッチングはできない、みたいな感じ。
俺は毎日、崩壊をつかっていたし、偸利も結構な頻度で使用していたので、その作業は楽にすすんだ。いやあ、魔法って便利だわ。
じゅうたんもタペストリーも、可愛かったり柄が綺麗だったりすると、つい買っていた。タペストリーは高いので、そんなにたまっていなかったが、じゅうたんの枚数が多い。だってだって、ピクニックの時につかったりするじゃん。地面に敷いて、みんなでその上に座って、お喋りしながらお食事するのだ。
なにはともあれ、裾野の、それも田舎のほうだと、じゅうたんは消耗品だ。レントでも、そこまでありがたがられるものではない。消耗品だから、高い値では売れない、ということでもある。
だから、田舎の村から行商に来るひと達が、数枚セットを貝貨1枚で、なんて、市場で売っていることも、ままある。あっちではそれが普通だ。
感覚の違いなのか、交織士や紡織士が凄いのか、俺にとってはかなり細かい柄でも、あちらのひと達は雑に扱う。そもそも日用品、消耗品だから、つかい心地がよかったらそれでいいのだ。だから、柄よりもサイズや素材にこだわるひとのほうが多かったみたい。
俺がよく買っていたじゅうたんは、ウールのものだ。ウールなどの羊からつくられるもの(羊皮紙とか、羊脂とか)は、ディファーズ産が最高級なのだが、ロアの大量生産品が多くでまわっていた。ディファーズウールでつくられたじゅうたんはそこそこの値だが、同じ柄で同じ大きさでも、ロアウールなら値段は三分の一以下になる、らしい。そんな話を御山で聴いた。
だから、俺が持っているじゅうたんは、ほとんどがロアウールのものだ。だって安かったもん。くるくるっとまるめた状態で、樽に幾つも突っ込んであって、一律銀貨12枚、なんて破壊的な値段のものもあった。サイズとか柄はお楽しみ、というやつで、とにかくつかえりゃいいというひとはそれを買う。俺みたいなやつがね。
市場で売っているとしても、質のいいものや高いものは、吊り下げてよく見えるようにしている。まあ、消耗品だから、高いったってそこまでじゃないが。




